『エルデンリング ナイトレイン』にて攻撃力が限界突破、“オーバーフロー”した人現る。強くなりすぎた結果、最弱に
『エルデンリング ナイトレイン』にて、敵を倒すほど攻撃力が上がる効果をもつ「マレー家の執行剣」で、攻撃力アップの限界に挑むユーザー検証がおこなわれた。

『エルデンリング ナイトレイン』にて、敵を倒すほど攻撃力が上がる効果をもつ「マレー家の執行剣」で、攻撃力アップの限界に挑むユーザー検証がおこなわれた。結果としては、なんと攻撃力が上がりすぎると一転して敵にダメージを一切与えられなくなるという。検証をおこなったmintius氏に話を訊いてみた。
本作は、『エルデンリング』をベースとするサバイバルアクションゲームだ。シングルプレイまたは3人プレイに対応している。プレイヤーは夜の脅威にさらされるリムベルドにて、「夜渡り」として3日間を生き延びなければならない。リムベルドでは挑戦するたびに拠点や敵の場所、入手できるアイテムなどが毎回変化する。過酷な2日間を乗り切り、最終日に待つ「夜の王」との戦いに挑むのだ。

本作において、ある武器によって“キャラの攻撃ダメージが完全に失われた”という検証報告が注目を集めている。その武器というのが「マレー家の執行剣」だ。マレー家の執行剣といえば、最高レアリティの武器のひとつ。本作の最高レアリティの武器は固有の付帯効果を備えており、マレー家の執行剣のマレー家の加護は「敵を倒すと、攻撃力を高める」という効果をもつ。装備した状態で敵を倒せば倒すほど、攻撃力が高まっていくわけだ。
RTA走者のmintius氏はこのマレー家の加護でどこまで攻撃力を高められるのかを検証し、その意外な結果を報告している。同氏は『エルデンリング』や『アーマード・コア6』といったさまざまな作品でRTAや検証などをおこなってきた人物だ。今回同氏はボス「ミミズ顔」を相手にマレー家の加護の検証を実施。ミミズ顔といえば、夜の王「喰らいつく顎」および「闇駆ける狩人」に挑戦した際に1日目の夜のボスとして現れる。周囲に次々と雑魚敵が出現し、雑魚敵を処理しながら戦う必要のあるボスだ。
ただ夜のボス戦では時間制限なく戦い続けることが可能。雑魚敵が無限湧きする仕様を逆手にとって、マレー家の加護の効果を高め続けられるわけだ。ちなみにmintius氏は「公のフレイディア」戦でも同様の検証が可能とみられることを伝えている。
mintius氏が添付した検証動画を見ると、マレー家の執行剣を背負った状態で、雑魚敵を“素手”で一撃で葬っていく様子がうかがえる。動画の6秒ごろのステータス確認ではマレー家の執行剣の攻撃力は9999で、装備一覧での表示攻撃力は6万2373。あわせてほかの武器の攻撃力も高まっており、素手でも9041もの攻撃力となっていることが確認できる。
一方でその状態からさらに2体の敵を倒すと、その後なんと敵へのダメージが消失。直前に素手で一撃で倒していた敵に攻撃しても、敵のHPゲージがまったく減らなくなっている。またほかの敵を攻撃しても、マレー家の執行剣に持ち替えて攻撃しても同様で、すべての敵に一切ダメージを与えられない状態となったようだ。無敵ともいえる状態から一転して無力になってしまう不思議な検証結果は大きな注目を集めている。内部的な攻撃力の値が、いわゆるオーバーフローしたのではないかという推察もみられる。
なおこの際のマレー家の執行剣の装備一覧での表示攻撃力は6万3375で、ゲームにおいてオーバーフローが発生する際の定番ともいえる2の16乗、6万5536よりやや少なめ。攻撃力そのものがオーバーフローしたかどうかは定かではないものの、攻撃時のダメージ倍率など、内部的にダメージを決定するパラメータが“オーバーフロー”しているのかもしれない。そのため、与えられるダメージがすべて0となるように処理されているのだろう。
弊誌は興味深い検証をおこなったmintius氏に話を訊いてみた。まず同氏が検証に要した時間は全体で3~4時間程度とのこと。山嶺の地変があり、ボスがミミズ顔という条件の整ったマップでマレー家の執行剣が出るまでに2~3時間程度、ミミズ顔戦で雑魚を倒していた時間は1時間20分程度だったという。
なおmintius氏は、検証において与ダメージが消失した後は「詰んでいた」と考えているそうだ。というのもマレー家の執行剣では武器を捨てても積み重ねた攻撃力アップ効果は残るため、解消するためには死んでリスポーンするしかないとみられる。ただ同氏はソロ出撃での検証をおこなっていたため、ダメージ消失状態ではボスを撃破してリスポーン可能になる翌日を迎えることは不可能だったようだ。
そんなmintius氏には、マレー家の執行剣に関してまだ検証したいことがあるそうだ。マレー家の加護で限界まで攻撃力を高めた後に、火の戦車への落下致命攻撃で何ダメージを叩き出せるのかが気になっているという。火の戦車への落下致命攻撃はダメージ倍率が高く、普通の武器でも数万ダメージを与えられる。これをマレー家の加護付きでおこなった場合に、どれくらいのダメージを叩き出せるのかを検証してみたいとのこと。条件としては山嶺の地変があり夜のボスにミミズ顔が出現することに加えて、火の野営地がマップ上にあれば可能。適したマップ探しから始めるつもりだという。

発売から約1か月が経過する『エルデンリング ナイトレイン』。『エルデンリング』とは違った仕様もさまざま存在し、ユーザー間では一風変わった検証も進められている様子だ。今回検証されたマレー家の執行剣は最高レアリティということもあり、その付帯効果は非常に強力。攻撃力を高めるためになるべく多くの敵を倒したくなるところだが、倒しすぎはかえってよくないようだ。ただmintius氏の検証によれば“オーバーフロー”までには700体以上も倒す必要があるそうで、普通にプレイしていれば発生することはまずないだろう。ミミズ顔や公のフレイディア戦などで攻撃力アップを図る場合のみ、ほどほどに留めるように気を付けておくといいかもしれない。
『エルデンリング ナイトレイン(ELDEN RING NIGHTREIGN)』はPC(Steam)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中だ。