『エルデンリング ナイトレイン』、「調律の魔物」被害者が続出中。予告なしで襲来もする、えげつない外道
『エルデンリング ナイトレイン(ELDEN RING NIGHTREIGN)』にて「調律の魔物」に敗北を喫するユーザーが続出しているようだ。

フロム・ソフトウェアは5月30日、『エルデンリング ナイトレイン(ELDEN RING NIGHTREIGN)』を発売した。多くのユーザーが複数の夜の王に挑み始めている中、「調律の魔物」に敗北を喫するユーザーが続出しているようだ。なお本稿では夜の王に関する情報が含まれているため、閲覧の際は留意されたい。
本作は、『エルデンリング』をベースとするサバイバルアクションゲームだ。シングルプレイまたは3人プレイに対応している。プレイヤーは夜の脅威にさらされるリムベルドにて、「夜渡り」として3日間を生き延びなければならない。リムベルドでは挑戦するたびに拠点や敵の場所、入手できるアイテムなどが毎回変化する。過酷な2日間を乗り切り、最終日に待つ「夜の王」との戦いに挑む。

本作は発売から一週間が経ち、すでに複数の夜の王を倒したというユーザーも少しずつ増えてきたかもしれない。一方で、SNS上ではとある夜の王になかなか勝てないというユーザーが続出しているようだ。5体目の夜の王、「調律の魔物」こと「夜の魔、リブラ」である。リブラは「発狂」の状態異常を司る夜の王。かなりギミックが多彩な敵であり、理解していないプレイヤーに対しては屈指の強さを誇る。いわゆる“初見殺し”系の敵であり、かつ慣れたプレイヤーでも事故が発生しやすいという難敵である。
SNS上では、ほかの夜の王は倒せたもののリブラだけ一向に倒せないというユーザーも散見される。シンプルに戦闘力が高い上に、戦場に飛び交う攻撃エフェクトがとにかく派手。「今何をされているのかわからない」といったハチャメチャ具合もユーザーの困惑を誘っているのだろう。また、後述する「弱点を突きにくい」という特徴も、リブラが一筋縄ではいかない原因の一つだろう。最終ボスを倒した後もじっくり本作をプレイし続けている筆者としても、リブラは本作にてもっとも強力なボスではないかと考えている。

強敵揃いの夜の王のなかで、なぜリブラの強さがひときわ取り沙汰されているのだろうか。何度も戦った筆者としては、リブラの厄介さは“一言では言い表せないところ”にあると考えている。たとえばリブラは戦闘開始前から異彩を放つ。夜の王が待つフィールドへと足を踏み入れると、そこには黒いローブをまとい、頭に魔法陣を掲げた謎の存在が鎮座している。これに話しかけると、「選択せよ」というセリフとともにいくつかの選択肢が提示されるのだ。選択肢はランダムで、どれもかなり癖がある。たとえば「強力な武器が欲しい」を選ぶとレベルを対価として支払うことになり、「飛躍的にレベルアップしたい」を選ぶと、聖杯瓶を飲むたびにレベルダウンするというペナルティを受ける。安易に取引に応じてしまうと、その後の戦闘で苦戦を強いられるという罠だ。

そして、全員が選択を終えると戦闘開始。リブラは発狂の魔力を噴出させる魔法陣を大量に出現させ、プレイヤーを狂乱へといざなう。魔法陣による攻撃と見分けのつきにくいワープも対処が面倒。なお、コンセプトからしておもに魔法を駆使してくる敵かと思いきや、実はフィジカルもすごく強い。また見た目以上に素早く、そして強力な打撃でプレイヤーに襲い掛かってくる。攻め手が止まず隙が少ないため、いつまでたっても相手のターンなのだ。
リブラが使う「発狂」は、完全に蓄積した場合、HPとFPを一気に削り取る凶悪な状態異常。リブラの攻撃を食らったうえで発狂も蓄積しきってしまうと、体力が低い状態ではそのまま力尽きてしまう可能性すらある。なおリブラ戦では、フィールド上には小さな欠片が落ちており、これを拾うことによっても発狂の蓄積を軽減することができる。しかし、リブラとの激しい戦闘中にこれを意識し続けるのは難しい。

もっとも“初見殺し”と言えるのは、強制的に発狂を蓄積してくる攻撃だ。リブラが両手で杖を持って地面に叩きつけ始めると、プレイヤーの頭上に小さな目のような物体が出現。この状態の間は、時間経過とともにぐんぐんと発狂値が溜まっていくのだ。プレイヤーができることは、前述した発狂回復の欠片をあつめること。近くに落ちている欠片の場所を瞬時に把握して、走り回らないといけない。

また、リブラにはもう一つ警戒すべきギミックが存在する。リブラは宙に浮遊し体にバリアを纏うと、周囲に紋章を出現させる。このまま時間が経過するとリブラの発狂魔法が強化されてしまうため、これらの紋章をすべて壊して阻止しなくてはならない。しかし、2回目以降は空中の高い場所にも紋章が出現するため、パーティーが弓を所持していない場合には攻撃系のアーツで無理やり中断させる必要があるだろう。一方で、阻止したとしても油断はできない。リブラ自身が発狂状態となり、発狂の爆発を纏った叩きつけ攻撃を連発してくる。

なお、リブラの弱点は自身が用いるのと同じ「発狂」であるが、作中には発狂の状態異常が付与された武器は少ししか存在しない。「ヴァイクの戦槍」や「狂い火」系の祈祷がこれに該当する。もし運よく入手できれば攻略が楽になるが、発狂のマークが付いた攻略拠点を回ったとしても確実に手に入るとは限らないだろう。ほかの夜の王と違って、弱点を突きにくいところも厄介さに輪をかけている。
発狂対策としては、フィールドにある箱から手に入る「発狂の苔薬」を集めておくのがよいだろう。なお、どうしてもアイテムスロットに空きがない場合には、その場で食べておくのも効果的。苔薬を食べることでマッチ中永続する耐性を獲得できることが判明しているからだ(関連記事)。また、「発狂耐性上昇」の効果を持った遺物を持っている場合は積極的につけておきたいところ。遺物の性能はランダムではあるものの、まずはほかの夜の王を攻略しつつ、強力な遺物が揃ってから満を持してリブラに挑むのもいいかもしれない。
ところで、最終日の夜の王とは別に、探索中に遭遇する襲撃イベント「調律の魔物」や特定の「追憶」においても、「秤を持った商人」として化けたリブラが登場する。襲撃イベントが発生した場合、プレイヤーは呪いで突如体力を奪われ、フィールドの特定の場所で待つリブラと取引をしない限り取り戻すことができない。どこまでも異様で、煩わしい存在である。訳がわからずに商人を攻撃してしまい、いきなり戦闘になってしまった犠牲者も多数いるようだ。
ちなみに、先日公式によって、夜の王の強化版が今月配信される予定であることが発表された(関連記事)。現状のリブラに対してすでに満身創痍なプレイヤーたちが、強化されたリブラにどのように対抗すればよいのか、今から絶望すら感じる。実装を楽しみに待ちたい。
『エルデンリング ナイトレイン(ELDEN RING NIGHTREIGN)』はPC(Steam)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中だ。
【UPDATE 2025/6/6 18:55】
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