人気ストリーマーDr Disrespect氏が業界のベテランと共同設立したスタジオが突然閉鎖。「大規模PvPvE脱出型FPS」を目指した野心作は完成を見ぬままお蔵入り

PvPvE脱出型FPS『DEADROP』を手がけていたMidnight Societyは1月31日、スタジオを閉鎖することを発表した。人気ストリーマーのDr Disrespect氏などが共同設立したスタジオだが、同氏は昨年6月にスタジオを“追放”されている。

PvPvE脱出型FPS『DEADROP』を手がけていたMidnight Societyは1月31日、スタジオを閉鎖することを発表した。同作の開発も中止となる。なおMidnight Societyは人気ストリーマーのDr Disrespect氏などが共同設立したスタジオだが、同氏は昨年6月にスタジオを“追放”されていた。

『DEADROP』は、地球の汚染が進んだ近未来都市を舞台とするPvPvE脱出型のオンライン対戦FPSとして開発されていた。NFT(Non Fungible Token・非代替性トークン)要素を盛り込んだ基本プレイ無料作品となる見込みであった。

本作は2022年8月に正式発表。支援者を募るかたちでFounders Access Passなどが販売され、所有者向けにはプレアルファ版となる短い体験版(Snapshot)が配信されつつ開発が進められてきた。コンセプトとしては、『Escape from Tarkov』のような脱出要素を肝にしつつ、バトルロイヤルゲームのように多数のプレイヤーが参加するゲームプレイが掲げられていた。ビークルの運転などの要素も盛り込まれた、野心的なゲームを目指して開発が進められていたようだ。


しかし今回、Midnight Societyは突如スタジオを閉鎖することを発表。『DEADROP』が完成に至らなかったことについての謝罪が述べられているものの、理由については明かされていない。所属していたスタッフは55名だそうで、スタジオは彼らの再就職先を探している最中だという。

なおMidnight Societyは、当初人気ストリーマーのDr Disrespect氏が、元Infinity WardのRobert Bowling氏や元343 IndustriesのQuinn DelHoyo氏などと共同設立したスタジオだ。しかし昨年6月には、Dr Disrespect氏が過去に未成年者と性的なテキストメッセージのやりとりをおこなっていたことが明るみに出たため、スタジオは同氏を“追放”していた(関連記事)。

ただ、そうしたトラブルがありつつもMidnight Societyは『DEADROP』の開発を進めていたとみられ、昨年11月にはFounders Access Passなどの所有者向けに新たなプレイテストも実施。しかし今回、突然のスタジオ閉鎖が伝えられた格好だ。欧米を中心にゲーム業界は昨年に引き続き停滞している様子もみられ、閉鎖の背景としてあるのかもしれない。

とはいえ閉鎖の理由はMidnight Society側からは明かされておらず、Founders Access Passの購入者を中心にファンの混乱も生じている。ファンの支援を受けつつ開発が進められていたこともあり、スタジオ閉鎖についての詳細な説明も期待されるところだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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