何もかも擬人化恋愛ゲーム『Date Everything!』初日でSteam同接「1万4000人超」の大人気。エアコンから手すりまで、家じゅう丸ごと口説いてロマンス

Team17は6月18日、『Date Everything!』をリリースした。対応プラットフォームはPC（Steam）/PS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch。本作Steam版はさっそく好評を博しており、多数のプレイヤーが集まっている。なお本作は国内コンソール版も発売されているものの、現時点で日本語表記には対応していない。

『Date Everything!』は、一人称視点の恋愛シミュレーションゲームだ。プレイヤーはひょんなことから「デートアクティベーター」という魔法のメガネを手に入れる。これを掛けると、家じゅうのモノが擬人化され、仲良くなれるという。このメガネの力によって、プレイヤーは個性溢れる家具や家電たちと交流していくこととなる。

本作はあらゆるモノとロマンスを繰り広げることが可能。家の中を移動し、オブジェクトにインタラクトすることによって、擬人化されたオブジェクトと交流することができるのだ。登場キャラクターは100人（個）で、全キャラ英語フルボイス対応となっている。ドアや冷蔵庫といった家具家電から、ハンガーなどといった小物、果ては階段の手すりや部屋の隅のホコリにまで、家じゅうのあらゆるモノと関係性を作ることが可能だ。

キャラとは会話によって関係性を形作ることができる。各キャラとの関係性によって、「S.P.E.C.S」と呼ばれるパラメータが上昇。各パラメータの程度によって、会話中に新たな選択肢を選ぶことができるようになる。キャラにはそれぞれ3つ以上のマルチエンディングが搭載。友達、恋人、あるいは恋のライバルとして関係性が展開していく。

さらに本作発売と同時にDLCも発売。DLCではアートブックやサウンドトラックとともに。新たな攻略対象として“マイクロトランザクション（少額決済）の擬人化”キャラである「Michael Transaction」と、「Lucinda Lavish」が開放される。

本作はリリース以降、さっそく同時接続プレイヤー数を右肩上がりに伸ばしており、記事執筆時点でピーク時には1万4231人ものユーザーがプレイしていた（SteamDB）。また、ユーザーレビューも約250件寄せられ、そのうち97％が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。この調子でレビュー数が増えれば、「圧倒的に好評」ステータスになりうる勢いだ。

本作の特徴は何と言っても、あらゆるモノとロマンス可能なバリエーションの豊かさだ。また虫眼鏡は推理好きな探偵キャラ、スマホは明るくおしゃべりなサポートキャラなど、オブジェクトそれぞれに合ったキャラクター付けがなされており、それによってロマンスの展開も個性豊か。

たとえば時計の「Timothy」はなにより時間を愛する、イギリス訛りのネコ耳キャラ。予定外のことがなにより大嫌いで、彼のペースを乱していくと、怒りをあらわにするかわいらしい姿を見ることができる。

エアコンの「Hector」はエアダクトに隠れる恥ずかしがり屋だが、関係を進展させていくと心を開き、献身的に部屋の温度管理をしてくれる。「エアダクトを通じて私が奏でるメロディを聞いて、それが君へ捧げられる唯一の贈り物だと気づいてほしい」といった具合に、一途でロマンティックな台詞を送ることも。シュールながらも、各キャラと本格的にロマンスを楽しむことのできる一作となっている。

このほか、特定の要素が苦手なユーザー向けに、事前に警告を行うコンテンツウォーニング機能も搭載。多様な層のユーザーに配慮したゲームデザインも好評を受けている。

一方で、個々のロマンス要素に関しては掘り下げは少なく、1キャラクターにつき4回ほどの会話でエンディングに突入するボリューム。お気に入りのキャラともっと交流したいという声は少なくない。とはいえ攻略対象の豊富さに舵を切り、家の中のあらゆるモノを擬人化するという、シュールでカオスなコンセプトが評価されているかたちだ。

本作の開発元はロサンゼルスに拠点を置くSassy Chap Games。『ファイナルファンタジー』シリーズや『ペルソナ』シリーズ、『ファイアーエムブレム』シリーズにて英語版吹替声優を務めた声優陣が主となって結成されたスタジオだ。本作の好評要素の1つである全キャラ英語フルボイス対応は、彼らの前職ゆえのこだわりなのかもしれない。プロの声優によって各キャラの個性が引き立っていることも、評価に繋がっているのだろう。

『Date Everything!』はPC（Steam）/PS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switchにて配信中。なお、国内コンソール版も発売されているものの、現時点で日本語表記には対応していない。