『ダンスダンスレボリューション』を「連続144時間」プレイした人物がギネス世界記録に認定。“身体づくり”も万全に、昼夜問わず踊り明かす
『ダンスダンスレボリューション』にて、GrassHopperことSzabolcs Csépe氏が連続144時間プレイを達成し、ギネス世界記録となったようだ。

ギネス世界記録公式は11月6日、ハンガリーのゲーマーGrassHopperことSzabolcs Csépe氏が144時間連続で『ダンスダンスレボリューション』(以下、DDR)をプレイしたとして、世界記録に認定したことを発表した。この挑戦はリズムゲームの最長連続プレイ時間と、ゲームそのものの最長連続プレイ時間の両方で新記録となっている。
『DDR』は、1998年にコナミがリリースしたアーケードゲーム、およびそれ以降に展開されたシリーズ作品の総称である。プレイヤーは楽曲を選択し、画面の下方から上に向かって流れる上下左右の矢印が特定の位置に来たタイミングで、足元の矢印ボタンを踏んで操作することになる。リズミカルに足を動かしてステップを刻むように操作することから体感型のリズムゲームとして話題となり、今でも人気を博しているアーケードリズムゲームだ。なおシリーズ最新作である『Dance Dance Revolution WORLD』は2024年6月から稼働している。

Szabolcs氏の挑戦がおこなわれたのは2024年の10月23日から29日のことだ。23日に挑戦を開始してから丸6日間に渡って『DDR』をプレイし、連続144時間にわたるゲームプレイを達成した。Szabolcs氏が挑戦中にプレイした楽曲数はのべ3000曲以上で、遊べる全1152曲を複数回プレイすることになったようだ。
『DDR』は実際に身体を動かしてプレイするゲームであるため、非常に体力を消耗する作品である。慣れない人がプレイした場合、数曲ほどプレイしただけでも息が上がってしまうかもしれない。Szabolcs氏の挑戦にあたっては、事前の体力トレーニングはもちろんのこと、計画的に食事や水分を摂って身体を維持する練習もおこなったという。
ところで今回の挑戦による総消費カロリーは約2万2000キロカロリーにも及ぶと伝えられている。年齢や体型によって異なるものの、一般的に成人男性の基礎代謝量は1日に約1500キロカロリーほど。身体を動かす仕事やスポーツの習慣を持つような、身体活動レベルが高い成人男性の1日に必要なカロリー量は、基礎代謝量の2倍にあたる約3000キロカロリーとされている(厚生労働省)。6日間で約2万2000キロカロリーという消費量は、1日あたり約3700キロカロリーとなり、身体活動レベルが高い場合の推定エネルギー必要量をも上回る計算になる。

そんな過酷な挑戦をおこなったSzabolcs氏は、今回の記録達成について、これまででもっとも体力的に厳しい経験であると同時に、心地よくもあった(comfortable)と語っている。人間の身体の限界に挑戦するようなことではあるものの、敵の動きに影響されるといった予想外の動きが生じないため、自由に動くことができたというのだ。また、『DDR』の楽曲そのものも挑戦中のモチベーションにつながったようだ。なお同氏のお気に入りの楽曲は、藤森崇多氏の「New Millennium」とのこと。
ちなみに今回の挑戦がおこなわれるまでは、リズムゲームの最長連続プレイ時間のギネス記録は、2015年にアメリカのCarrie Swidecki氏が『Just Dance』で樹立した138時間34秒だった。Szabolcs氏はその記録を約6時間上回ったことで、リズムゲームの最長連続プレイ記録として認定されただけでなく、ビデオゲーム全般の最長連続プレイ記録としても認定されている。
なおSzabolcs氏は、過去にもゲームの最長連続プレイ時間の記録を樹立している。2021年には『NARUTO-ナルト-疾風伝 ナルティメットアクセル2』を連続で28時間11分32秒プレイしたとして、「NARUTO」のゲーム作品における最長連続プレイ時間記録を樹立。同じ年には『テトリス・エフェクト』を連続で32時間32分32秒プレイしたことで、パズルゲームの最長連続プレイ時間も記録した。さらに2023年には『グランツーリスモ7』を連続90時間プレイしたことで、レースゲーム、シミュレーションゲーム、レーシングシミュレーターという3つのカテゴリで最長連続プレイ時間を記録した。そのため同氏の長時間プレイは“得意技”ともいえるが、今回は文字通り「桁違い」となるプレイ時間を誇っており、その点も含めて話題となっているかたちだ。
現在Szabolcs氏は34歳のITエンジニア。数多くの記録を樹立してきた同氏だが、挑戦にあたってのアドバイスを求められた際には「いきなり挑戦するのではなく、まずはゲームを楽しむのがおすすめ」であると答えている。丸6日間の挑戦となれば、身体だけでなく精神的な疲労も計り知れない。同氏の熱意が垣間見えると同時に、ゲームの楽しさは限界を超える要因の1つとなり得ることも示された格好だ。


