大手MicronのPC向けメモリ・SSDブランド「Crucial」、突如“事業撤退”へ。AI需要急増で、一般向けメモリー不足さらに深刻化

米国の半導体企業Micronは現地時間12月3日、「Crucial」として展開していたコンシューマー向け事業から撤退することを発表した。今後はAIデータセンター向け事業に注力するという。

Crucialは、Micronが展開するブランドだ。メモリやSSDが展開されており、大手が手がける製品として安定性に優れ、コストパフォーマンスの良さなどに定評のあるブランドといえる。

今回MicronはCrucialとして展開していたコンシューマー向け事業から撤退すると発表。移行期間として、2026年2月までは製品の出荷が継続されるとのこと。一方で商業向け顧客については、Micron ブランドのエンタープライズ製品の供給とサポートが従来どおり継続される見込み。Micronのエグゼクティブバイスプレジデント兼最高事業責任者であるSumit Sadana氏は今回の決定の背景として、AI分野の成長に伴うデータセンターにおけるメモリ・ストレージの需要の急増があったとしている。

昨今ではAI分野における需要の急増で世界的な「メモリ不足」も発生。長期的な供給不足となりうることも懸念されている。そうした中で今回、米大手Micronがコンシューマー事業からの撤退を打ち出したかたちだ。PCゲーマーにとっては、Crucialブランドのメモリが手に入らなくなるだけでなく、市場に流通するメモリが一層減少する可能性も不安視されるところ。また競合他社が同様の方針を打ち出す可能性もあり、引き続き市場の動向は注目されそうだ。