『Counter-Strike 2』ドイツでは「ガチャの中身を見てから開封してもらう」仕様に。でも実質的には同じ

3月16日以降、対象となるドイツのプレイヤーは専用の“スキャン機能”を経由しないとケース開封をおこなえなくなるという。

デベロッパーのValveは3月7日、『Counter-Strike 2』について、ドイツのプレイヤーを対象とした仕様変更をおこなうと発表した。3月16日以降、対象のプレイヤーは専用の“スキャン機能”を経由しないとケース開封をおこなえなくなるという。

『Counter-Strike 2』(以下、CS2)は、対戦FPS『Counter-Strike』シリーズの最新作。同シリーズは、対テロ特殊部隊とテロリストに分かれて戦う、オンライン対戦がメインコンテンツとなっている。2012年にリリースされ長らく人気を集め続けていた『Counter-Strike: Global Offensive』(以下、CS:GO)に置き換わるかたちで、2023年9月より配信開始。スモークの挙動、ビジュアルの見直し、各マップのアップグレードなど、『CS:GO』から多くの要素が刷新された。

本日本作公式Xアカウントが発表した内容によると、3月16日以降、ドイツのプレイヤーのインベントリには「X-Ray Scanner(X線スキャナー)」タブが追加されるという。この機能は、ランダムなスキンが封入された「ケース」について、中身を開封前に知ることができる仕組み。ケースは開けるにあたり基本的には有料の「鍵」が必要となっており、ケース自体も無料で手に入るもののほか、有料で購入したり取引されたりする。いわゆる“ガチャ”的なシステムとなっている。

今回の機能実装によって、該当するプレイヤーはケースをX-Ray Scannerを経由しないと開封できなくなる。 なお対象者には、実装にあわせて取引不可の限定アイテム「Genuine P250 | X-ray」がスキャナーに入るかたちで配布され、他のケースをスキャンするためにはあらかじめそれを受け取る必要があるとのこと。

一見中身をサーチした上で欲しいアイテムだけを開封することができるというお得なシステムにも思えるが、これには条件が存在する。X-Ray Scannerに関するQ&Aページによると、一度スキャンがおこなわれたケースは中身をリセットすることはできず、スキャン済みのケースをそのままマーケットで取引することはできない。また、スキャン済みのケース内のアイテムを購入するまで別のケースをスキャンすることはできないようになっている。

中身を踏まえて購入しないという選択肢が設けられているとはいえ、ケース開封を続けるためにはアイテムを購入することが必須となる。つまり、ひと手間挟んでいるだけで、実質的には従来のガチャ的な仕組みと大きな違いはないと言える。なおこのX-Ray Scannerシステムについては、2019年からフランスで導入された仕組み。当時のリリースノートにおいても、同様の説明が記されていることがわかる。

こうしたシステムの導入に至った経緯や目的については説明されていないものの、ドイツでは青少年保護の考え方がゲーム分野にも広がっている状況がある。ドイツでは2021年5月の青少年保護法改正を受けて、2023年からはデジタルコンテンツにおける課金やガチャなどの要素も、年齢審査や追加情報表示の対象として扱われるようになった。また2025年11月には、連邦参議院(Bundesrat)が決議を採択し、連邦政府に対してルートボックスの規制強化や年齢確認の厳格化などを求めている(heise online)。

さらに、連邦司法・消費者保護大臣のStefanie Hubig氏は、今年2月10日のSafer Internet Day(セーファー・インターネット・デー)に際して声明を発表。その中では、ルートボックスには中毒に陥らせるリスクがあるとして、若者向けのゲームにはルートボックスは存在するべきではなく、また大人向けのゲームであってもデフォルトで無効にすべきと発言している。今回の仕様変更の背景には、こうしたドイツでのガチャ要素などに対する規制を求める動きの強まりがあるのだろう。ガチャとしての見え方を緩和するための、Valveによる“苦肉の策”であると見られるわけだ。

ちなみに、先月には米国ニューヨーク州がValveを相手取り訴訟を提起。『Counter-Strike』シリーズなどのルートボックスが賭博と同等の危険性を持つと主張され、恒久的な差し止めや消費者への損害賠償命令などが請求された(関連)。各国で同様の議論がおこなわれており、こうしたフランスとドイツに続くかたちで、他の国でも同様の仕様変更が実施される可能性もあるだろう。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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