大ヒットRPG『Clair Obscur: Expedition 33』開発元、担当弁護士による「名前被りした漫画」への出版停止要求を取り下げたと報告。“お互い意図せぬ”騒動、円満に解決
Sandfall Interactiveは声明を発表し、Gay氏への要求が取り下げられたことを報告した。

漫画家のOlivier Gay氏は先日、同氏が手がける漫画作品のタイトルの一部が、RPG『Clair Obscur: Expedition 33』と被っているとして、開発元であるSandfall Interactiveの法務担当弁護士によって出版停止の要求を受けたと公表していた。一方、本日Sandfall Interactiveは声明を発表し、Gay氏への要求が取り下げられたことを報告した。
『Clair Obscur: Expedition 33』は、2025年4月24日に発売されたターン制RPGだ。パリィなどのアクション制が取り入れられた戦闘システムのほか、フランス風の要素を取り入れた世界観・アートワークやUnreal Engine 5による美麗なグラフィックなどから高い評価を獲得。同年12月に開催された「The Game Awards 2025」ではGOTY(Game of the Year)を含む9冠を獲得したほか、有志による集計では、メディアや団体によるGOTYの累計受賞数で、『ELDEN RING(エルデンリング)』を抜いて1位となったことも話題となった(関連記事1、関連記事2)。

そんな本作の開発元であるSandfall Interactiveとの間であるトラブルが発生したとして、フランスの漫画家のOlivier Gay氏は3月6日に報告をおこなっていた。同氏は漫画シリーズ「L’Académie Clair-Obscur」を手がけている人物であるが、Sandfall Interactiveの法務担当弁護士から販売停止の要求を受けたのだという。ゲーム『Clair Obscur: Expedition 33』とタイトルの一部が被っていることから、同作の成功に乗っかろうとしていると見なされているようだと同氏は述べた。法廷で争う気力もお金もないとして、タイトルを変更して連載を続ける姿勢を見せていた。なお、同氏は『Clair Obscur: Expedition 33』のプラチナトロフィーを獲得するほど熱心なファンなようで、Sandfall Interactiveの成功に対しては称賛の念を抱いているそうだ。
Gay氏によれば、漫画「L’Académie Clair-Obscur」は2019年に出版社であるDrakooに提案したプロジェクトであり、Drakooとの契約はゲームの発売よりも前の2024年3月から結ばれていたとして、ゲームの流行に便乗する意図はないと主張。また「L’Académie Clair-Obscur」はエリート魔法学校に入学した農民の物語であり、人類滅亡が近づく世界での冒険譚を描いた『Clair Obscur: Expedition 33』のストーリーとは関連がないことも説明している。争点となっているタイトルの「Clair-Obscur」の部分についても、作中に登場する特定の魔法技法(une technique de magie)を表すものであるとのこと。そもそも、「Clair Obscur」は絵画技法である「明暗法」を意味するフランス語。日常で一般的に用いる語句とは言えないとしても、れっきとした既存の用語であるわけだ。
このタイトル被りを巡る出来事に大きな反応が寄せられたことを受けて、Sandfall Interactiveは3月9日に、出版社およびGay氏と連絡をとって解決策を模索することを報告していた。そして本日3月11日、Sandfall InteractiveはXにて声明を発表し、スタジオの法務担当者による請求が取り下げられたことを明かした。法務担当者には特に偽造品からスタジオの権利を守る役割が与えられていたというが、漫画「L’Académie Clair-Obscur」に対する措置は同社の方針には適合しないと説明。アーティストを支援し創造性を奨励するという、Sandfall Interactiveが最も重要であるとする価値観を改めて示した。また、Gay氏もこの投稿に対して反応し、スタジオへの感謝を述べている。
漫画作品がヒット作のタイトルを真似たとする疑いは晴れ、問題は無事解決した模様。ゲーム『Clair Obscur: Expedition 33』の特徴的なタイトルは、その読み方の難しさから、日本では「なんとか33」なる略称が広がり話題となっていたが(関連記事)、今回はまた違ったかたちで人々の注目を集めたようだ。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


