人気RPG『Chained Echoes』開発者、「予定から2年以上経っても納品してくれない」パッケージ版委託先を提訴すると表明。ずっと“業務困難状態”だった委託先にしびれを切らす
パッケージ版販売を委託していた企業から、2年以上経ってもパッケージ版が納品されない状況を鑑みて、提携を終了するとともに、訴訟の準備をしていることを明かした。

個人開発者のMatthias Linda氏は3月11日、同氏が手がける『Chained Echoes』に関する声明を発表。パッケージ版販売を委託していた企業から、2年以上経ってもパッケージ版が納品されない状況を鑑みて、提携を終了するとともに、訴訟の準備をしていることを明かした。
『Chained Echoes』は2022年にリリースされた、「16ビットスタイルRPG」を謳う作品だ。3つの国家が戦火を交える広大なバランディス大陸を舞台に、仲間との出会いの中で、世界と自らの謎を紐解いていく。戦闘にはシンボルエンカウント方式が採用され、ターン制バトルが展開される。
本作は、2019年2月からKickstarterキャンペーンを通じて支援を募り、4655人の支援者から初期の目標額の2倍を超えるおよそ13万ユーロ(現在のレートで約2400万円)を集めるなど大きな注目を集めた。なおその中では、ストレッチゴールとしてパッケージ版の販売も掲げられ、無事達成。支援額の増加とともに対応プラットフォームを広げ、PC/PS5/PS4/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに2022年12月に発売された。

Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で、約7300件中88%の好評で「非常に好評」ステータスとなるなど、多くの好評を集めている。一方で、支援者へのリターンとして製作されていたパッケージ版については思いのほか時間がかかっておりリリースが遅れることが、開発者のMatthias Linda氏によって2023年頃から伝えられてきた。本作では、ゲームやサウンドトラックなどのパッケージ版を販売を請け負うドイツ企業First Press Gamesとの提携でパッケージ版が製作されていた。
しかし、その後支援者への情報共有は滞り、次に声明が発表されたのは2024年6月。Linda氏によれば、発売後のアップデートを適用した状態でリリースしたいといった都合や、ゲーム機メーカーによる承認に時間がかかったことなどが要因となり延期がおこなわれていたものの、当初の予定では2023年末のリリースが想定されていたそうだ。ただし、製品品質への不満などを理由にFirst Press Gamesに委託していた各メーカーが相次いでリリースを延期していたことや、First Press Gamesが製造の工程で利用するパーツメーカーの納期の遅れなどが引き金となり、さらなる延期を余儀なくされたという。
そうしたFirst Press Gamesの状況については、同社の公式サイトでも説明がおこなわれている。製作パートナーとの問題でプロジェクトに遅延が発生しているほか、社内のスタッフの離職により、顧客に対する十分なサポートが維持できなかったとのこと。“社内の病欠率が過去最高”になるなど、通常通りの業務を続けることがほぼ不可能であったとしている。2026年1月からは少しずつ人員補充が進められ徐々に体制が立て直されているとしつつも、いまだ予断を許さない状況のようだ。

そして今回、Linda氏が発表した新たな声明では、First Press Gamesとの提携を終え、訴訟の準備をおこなっていることが明らかとなった。発売予定であった時期、すなわち2023年末から2年以上が経ったものの、First Press GamesからはPS4版以外何も届いていない状況だという。詳細については法的な理由から明かせないとしながらも、慎重に検討を重ねた結果であると説明し、謝罪とともに理解を求めている。
なおLinda氏はKickstarterの支援を通してパッケージ版に申し込んだユーザーに対する補償を進めるといい、Kickstarterキャンペーン中に支援した支援者は、別のパブリッシャーから販売されるパッケージ版の発売を待つか、支援への払い戻しを受けるかを選択できるそうだ。なお、新たなパブリッシャーによるパッケージ版を希望する場合、製作が訴訟の終了後となる可能性もあるとのこと。返金を希望するユーザーは、指定のメールアドレス宛てに必要事項を送信するように案内されている。
First Press Gamesとの契約内容あるいは準備が進められているという訴訟に関連してか、現時点では状況の詳細については明かされていない。先述のとおりFirst Press Games側は体制を立て直し中であると説明しているものの、予定から2年以上経過しても先行き不透明な状況が続いているとみられ、提携解消の要因となったのだろう。訴訟がどのような結果となるのか、また支援者の手にパッケージ版が無事にわたる日が来るのか、動向は注目される。
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