デベロッパーのLarian Studiosは9月5日、『バルダーズ・ゲート3(Baldur’s Gate 3)』のSteam版向けに無料大型アップデートとなるパッチ#7を配信した。同アップデートでは悪のロールプレイを楽しむプレイヤー向けに新たなエンディングが追加。さらに公式Modツールやマネージャーのリリースに加えて、膨大な量の修正・調整が加えられている。
本作は、RPG『Baldur’s Gate』シリーズのナンバリング最新作だ。本作の舞台となるのはファンタジー世界「フォーゴトン・レルム」。プレイヤーはこの地を、仲間と共に自由度高く冒険することになる。ファンタジー・テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の第5版ルールをベースとしており、TRPGのメカニクスをゲームに落とし込んだいわゆるCRPGとして展開されるゲームプレイが特徴だ。
9月5日、Larian Studiosより本作のPC版向けにパッチ#7がリリースされた。同パッチでは多岐に渡る変更が加えられており、パッチだけでその容量は16GBとなっている。アップデートの際には空き容量にも留意されたい。なおこれにより、ゲーム本体をインストールする際は合計で160GBの空き容量が必要になるとのこと。
パッチにおける変更点としては、まず以前から追加が予告されていた「Evil Endings」の追加と、それにまつわる13のムービーシーンが新たに追加されている。本作における悪のロールプレイを楽しむプレイヤー向きの、新たなエンディングとなっているようだ。この新たに追加されたエンディング、およびムービーシーンは、パッチ適用後であれば古いセーブデータでも選択肢次第で閲覧可能となっている。
そして、本パッチのリリースと同時に、PC版向けに『Baldur’s Gate 3 Toolkit』がリリースされた。Larian Studios より公式にリリースされたもので、本作のModの作成をサポートするものとなっている。このツールキットは本作のDLCという形でリリースされており、本作を所持している場合はSteamライブラリからプロパティを選択するかたちでダウンロード可能。
『Baldur’s Gate 3 Toolkit』で作成されたModについては、ゲーム内でModマネージャーが用意される。ゲーム内でユーザーにより作成されたModを直接閲覧し、インストールや管理などが可能だ。なお、これによりサードパーティー製のModマネージャーのサポートが打ち切られることはなく、どちらを利用するかはプレイヤーによって常に選択可能であることも明言されている。なお多くのModで利用されているScript ExtenderについてもLarian Studiosは認識しており、パッチ#7での互換性をサポートする努力を行ったという。
また、パフォーマンス面も大きく最適化されたという。本作においてその重さが特に顕著であった、Act3におけるバルダーズ・ゲートの下層地域でのメモリ使用量のピークが減少したという。
本稿で紹介したアップデート内容はパッチ#7のごくごく一部となる。その他、変更内容や修正項目は多岐に渡り、公開されたパッチノート(英文)は長大なものとなっている。興味と根気のあるプレイヤーはぜひ確認してみるとよいだろう。
数々のゲームアワードを受賞するなど高い評価を得た本作。正式リリースから一周年を迎えても精力的に「新たなエンディング」を追加する大規模な無料アップデートと開発が続けられているかたちとなる。本作はDLCや続編の開発を予定していないことが明言されているものの(関連記事)、今後の続報も期待したいところだ。
『バルダーズ・ゲート3』パッチ#7はPC(Steam)向けに配信中。本作は国内PS5向けにも発売中だ。