老舗Obsidianが手がける『Avowed』で、エラーメッセージに“謎のタイトル”が表示され困惑広がる。実は長い伝統のある「アラバマゲーム」

豪華版購入者向け先行アクセスでSteam同時接続プレイヤー数が連日1万を超え、盛り上がりを見せている『Avowed』について、あるRedditユーザーの投稿が注目を集めている。クラッシュした時のエラーメッセージに『Avowed』ではなく「UE-Alabama Game」なる名称が書かれているというのだ。

『Avowed』はObsidian Entertainment（以下、Obsidian）が開発した3DアクションRPGである。プレイヤーは謎の疫病を調査するため「Living Lands」と呼ばれる島への冒険に繰り出し、さまざまな困難に立ち向かうことになる。Unreal Engine 5を採用した美麗なグラフィックや、剣や魔法に加え銃火器なども自由に切り替えて使う戦闘などが評判となっており、Obsidianの過去作『Pillars of Eternity』と同じEoraという世界を舞台にした奥行きある世界観も、同作のファンから好評を博している（関連記事）。

今回Redditに投稿され注目を集めたのは、『Avowed』をプレイしていたRedditユーザーのcereburus氏がPC画面を撮影した写真である。一見すると普通のエラーメッセージだが、そこには「UE-Alabama Game has crashed」（UE-アラバマゲームがクラッシュしました）と書かれている。「自分がプレイしていたのは『Avowed』なのに、知らない名前が出てきた！」という驚きの投稿だったわけだ。

cereburus氏の投稿からすぐさま、「Alabama Game」の謎は解けることになる。「Obsidianは昔からアメリカ合衆国の州の名前をゲームの開発コードとして使っている」という返信がついたのだ。ゲーム開発の現場ではタイトルがまだ決まっていない開発中の作品に開発コードという仮の名称をつけるが、Obsidianではそれがたまたまアメリカ合衆国の州の名前だったのである。先頭の「UE」については、おそらく「Unreal Engineを利用した」といった意味合いであろう。他のエンジンを採用した「○○-Alabama Game」も開発初期には検討されていたのかもしれない。

なぜアメリカ合衆国の州の名前が選ばれたのかは不明だ。とはいえ、50という程よい数があり、州の加盟年月日という順序があり、開発中ゲームの内容と関連を持たないなどと、仮称として使用しても問題なく、開発コードとして使いやすい条件が揃っているといえるだろう。またファンの間では、おそらく加盟年月日順で使用しているのではないかという推測もされているようだ。『Avowed』に割り当てられたアラバマ州の加盟は22番目であり、Obsidianが過去に開発してきた作品の数とも近い。『Avowed』の過去作にあたる『Pillars of Eternity 2』の開発コードがアメリカで18番目に加盟した州であるルイジアナ州を用いた「Project Louisiana」であることからも、「州の加盟年月日順」という推測がおそらく正しいことがうかがえる（PC Gamer）。

ちなみに、『Avowed』の開発コードが「Project Alabama」であることは2021年には知られていた。Game Rantなどによれば、ObsidianのWebサイトに新しくアップロードされた『Avowed』のハイライト動画のメタデータに「Alabama_Teaser_Animatic」なる文字列が含まれていたことをユーザーが発見したという。その際にも「アメリカ合衆国の州の名前を使う伝統は続いているようだ」と伝えられていることから、Obsidianで長く用いられている風習となっていそうだ。今後「Project Florida」や「Project California」などの仮称が用いられる日も来るだろう。しかしいずれも、単なる順番付けのために用いられた呼称であり、ゲーム内容と実在の州とは引き続き無関係であると思われる。

『Avowed』はPC（Steam/Microsoft Store）/Xbox SeriesX|Sで2月19日発売予定。また、PC/Xbox Game Passにも対応予定。2月14日よりアーリーアクセス配信中だ。日本語にも対応予定だが、現時点では未対応。約1ヶ月後のアップデートで提供される見込みだ。