『アークナイツ:エンドフィールド』に“論理回路”をセルフ実装した工場職人あらわる。「現実の電力制御システム」の応用で電力節約

『アークナイツ:エンドフィールド』の集成工業システムにPWM制御を実装したユーザーが現れたという。

HypergryphおよびGRYPHLINEが手がける『アークナイツ:エンドフィールド』の集成工業システムにおいて、現実の電力制御にて用いられることもある、PWM(パルス幅変調)制御を実装したユーザーが現れたようだ。

『アークナイツ:エンドフィールド』は、『アークナイツ』を手がけるHypergryphによる新作ゲームだ。2Dタワーディフェンスであった『アークナイツ』からは打って変わって、3Dリアルタイム戦略RPGとなっている。舞台となるのは巨大ガス惑星タロスの衛星「タロII」。プレイヤーはエンドフィールド工業の「管理人」と呼ばれる伝説の存在として、さまざまな脅威に晒されるこの星で物語を紡いでいく。戦略性のある戦闘のほか、工場自動化シムのような要素「集成工業システム」も特徴となっている。

今回集成工業システムに関して、PWM制御を実装したとする動画がbilibiliに投稿され、話題を呼んでいる。PWM(パルス幅変調)制御は半導体を用いて出力される電力を制御する方式だ。制御にあたっては、ONとOFFの2状態をとるパルス波(矩形波)を用いる。このパルス波の1周期におけるONの時間の割合(デューティー比)を調整することで、出力の制御が可能になる。

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Image Credit: 東芝デバイス&ストレージ株式会社 on Web

今回はそんな専門的な技術が、本作の集成工業システムに活かされているかたち。bilibiliユーザーの神仙座氏は、1月31日に動画を投稿。uiui122氏のアイデアを基に、小容量武陵バッテリーによる発電機構にPWM制御を適用したようだ。

武陵では本作冒頭で訪れる四号谷地と異なり、新たなアイテムや素材が登場。それに合わせ、集成工業システムの各設備を稼働させるバッテリーも、「谷地バッテリー」から「武陵バッテリー」へと変更される。谷地バッテリーは大容量で1100の発電量となっているが、武陵バッテリーは小容量でも1600の大規模な発電量を誇っている。

この武陵バッテリーをそのまま発電機に投入すると、投入量に対し余剰電力が発生することもある。たとえば2000の電力が必要な際、1個であれば400足りず、かといって2個で3200の電力を賄うと1200の余剰が発生する。さらに地域建設の取引商品として武陵バッテリーを確保したい場合には、「バッテリーを消費し過ぎず、電力不足にならないライン」を見極めて、電力供給量を調整したい、という思惑もあるだろう。

Image Credit: 神仙座 on bilibili

本作では、協約核心から搬出されるアイテムは2秒に1個のペースでベルトコンベア上を流れる。また小容量武陵バッテリーは1600の発電量を40秒間供給する。そのためバッテリーを「1600の電気エネルギー」として計算すると、協約核心からベルトコンベアを通じて発電機に投入する場合、理論上では単位時間あたり1/2×1600×40=32000の電力量を供給する、とみなせる。神仙座氏の機構はこの供給ラインを、論理回路を使って“減速”させることで、供給量を調整するという設計のようだ。

今回神仙座氏の用意したシステムでは、電力量を800~4095までの範囲で調整可能だという。調整にあたっては、まず協約核心から搬出されるバッテリー量を、分流器を使うことで16000に半減。その後複数の分流器を用いることで個数をさらに制限している。なお分割したバッテリーの一部を協約貯蔵箱に送り返すことで、2進数で扱いやすい2の累乗の数に近づけ、約4096としている。

Image Credit: yntcuuu on bilibili

そして調整にあたっては目的とする発電量を12ビットの2進数に変換。そして2進数の1/0に応じ、上段から2行目に配置された合流器を、1が入る桁だけベルトブリッジに変更することで、3行目の合流器にバッテリーが流れ込む。1行目の分流器を通るたびにさらに1/2の周期となるため、各列を調整することでバッテリーの流れる数を調整できる仕組みだ。こうして調整することで、バッテリーをただ流し込むだけの場合と異なり、余剰の電力供給を可能な限り制限。バッテリーの節約にも役立つわけだ。

今回“論理回路”の導入によって、現実で用いられている電力量制御の技術が『アークナイツ:エンドフィールド』においても実現されたかたち。本作の「集成工業システム」についてはユーザーによる“生産ライン効率化”が画策されるなど、プレイヤー間での工夫が注目されていた(関連記事)。一方で今回のPWM制御は、本作で実装されていない“論理回路”を実現した点で興味深い。集成工業システムを巡ったユーザーの“研究”は留まるところを知らないようで、今後の発展には引き続き注目されるところだ。

『アークナイツ:エンドフィールド』はPC(公式サイト/Epic Gamesストア)/PS5/iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。

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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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