開発苦戦中の恐竜サバイバル『ARK 2』、2028年にがっつり発売延期。新要素は前作『ASA』でまずテスト、“安全に”リリース目指す

デベロッパーのStudio Wildcardは12月18日、『ARK 2』を2028年にリリースすると発表した。あわせて『ARK』シリーズ作品の今後2年間におけるロードマップも公開されている。

『ARK 2』はオープンワールドサバイバルゲームだ。恐竜などの古代生物やモンスターが生息する謎の島を舞台に、サバイバル生活をして生き延びることを目指す。多彩なクラフト・建築要素に加えて、古代生物やモンスターを「テイム」して仲間にしつつ、育成して共闘できる点が特徴だ。

シリーズとしては、『ARK: Survival Evolved』が2017年に正式リリースされたほか、同作をUnreal Engine 5で再構築した『ARK: Survival Ascended』が2023年10月より早期アクセス配信中。『ARK: Survival Evolved』に向けてはStudio Wildcardの親会社Snail Games USAがコンテンツアップデートなどを提供しており、Studio Wildcardでは現在おもに『ARK: Survival Ascended』向けのアップデートと『ARK 2』の開発が続けられている。

『ARK 2』は2020年12月に「Announcement Teaser」でお披露目され、当初2022年発売として予告。しかし複数回の延期が告知され、一時は2024年末にリリースされると明言されるも発売に至らなかった。その後今年6月にはStudio Wildcardの共同設立者であるJeremy Stieglitz氏から苦戦の様子が伝えられ、『ARK 2』のバーティカルスライス（部分的に絞って完成度を高めた試作）を早期アクセス配信可能な状態にするまでには、最低でも約18か月かかる、つまり最速でも2027年以降のリリースになると明かされていた（関連記事）。

そしてこのたび、『ARK 2』が2028年にリリースされることが発表された。Stieglitz氏への取材をもとにEpic Gamesが伝えている。2028年という時期については、前述した最速で開発した場合の見積もりにも近い時期であり、急ピッチで開発が進められる計画なのだろう。

なお、『ARK』シリーズ作品の今後2年間におけるロードマップも公開されている。来年2026年にはまずバトルロイヤル風の対戦ゲーム『ARK: The Survival Of The Fittest』の新バージョンをリリース予定であるといい、同じくSnail Games USA傘下のStudio Sirensが引き継ぐかたちで開発されるそうだ。また同年には、ゲーム内でユーザーがコンテンツ制作をおこなえるようになるModツール「ARK World Creator」もリリース予定。UFEN（Unreal Editor For Fortnite）やRobloxにも似たコンテンツ制作体験が実現されるようだ。そのほか、2年間のうちに複数のアップデートが計画中だ。

こうした『ARK: Survival Ascended』の新コンテンツの中には、『ARK 2』に実装したい要素も含まれているという。Stieglitz氏によれば、独立したゲームとしてリリースするよりも、運営中のゲームの中でテストするほうがよりたくさんのフィードバックを得られ、プレイヤーの声により流動的に反応することができるという点で、ずっと安全であると考えているそうだ。『ARK 2』のメカニクスや機能を『ARK: Survival Ascended』に段階的に導入しながらテストしていく方針が明らかとなった。

ちなみに、『ARK 2』がリリースされても、『ARK: Survival Ascended』の開発を即座に終了するわけではない様子。というのも、過去にスタジオでは『ARK: Survival Ascended』の開発に注力するのにあわせて、『ARK: Survival Evolved』のアップデートを終了。その際には、ユーザーから多くの批判を浴びることになったという。ユーザーがもっと多くのコンテンツを求めていた最中に打ち切りにしてしまったことへの反省もあるようだ。Stieglitz氏いわく、人々がまだプレイしたりコンテンツにお金を払いたいと思ってくれる限り、コンテンツを作り続けたいとのこと。既存のプレイヤーベースを置き去りにしないことを念頭に置いているそうだ。

『ARK 2』はPC（Steam/Microsoft Store）/Xbox Series X|S向けに、2028年発売予定。