『Apex Legends』、Steam版にて「レビュー爆撃状態」が続くなど苦境模様。“バトルパス問題”への対応後も、別の不満が続々寄せられる

『Apex Legends』Steam版にて“レビュー爆撃”状態が依然として続いているようだ。「プレミアムバトルパスを現金で販売する方針」については取りやめとなったものの、引き続き一部ユーザーは不満を寄せている状況だ。

Apex Legends』Steam版にて、不評のユーザーレビューが多数・短期間に投じられる“レビュー爆撃”状態が依然として続いているようだ。きっかけとなった「プレミアムバトルパスを現金で販売する方針」については取りやめられ、シーズン22スプリット1のプレミアムバトルパスはゲーム内チャレンジ達成報酬として無償で提供予定となっている。それでも引き続き一部からは、主に別の部分への不満が寄せられている状況だ。

本作では7月8日、バトルパスの仕様がシーズン22から刷新され、シーズンの節目となるスプリットごとにバトルパスが分かれることが告知された。またあわせて、従来はゲーム内通貨Apexコインで販売されていたプレミアムバトルパスが現金での販売に切り替わる方針が伝えられていた(関連記事)。


プレミアムバトルパスの現金販売化方針と撤回

7月8日に発表されたバトルパスの変更予定については、ユーザーコミュニティから批判が殺到していた。というのも、バトルパスでは進行に応じて一定量のApexコインを獲得可能。そしてプレミアムバトルパスを終盤まで進行することで、購入した分のApexコインが還元され、次のプレミアムバトルパスの購入資金とすることができた。

シーズン22からもApexコイン自体はバトルパス報酬として用意されるものの、プレミアムバトルパスはApexコインではなく現金1255円で販売されることが発表。先述のとおりシーズン22からはバトルパスがスプリットごとに更新されるため、シーズンを通してプレミアムバトルパスを購入するためにはシーズンごとに2510円の出費となる。ユーザーコミュニティではプレミアムバトルパス進行およびその報酬をプレイのモチベーションにしていたという声も散見され、プレミアムバトルパスに都度購入代金が必要となる変更について批判が噴出していた。

本作はSteam向けにも展開されており、Steamユーザーレビューでは不評レビューとしてバトルパスの変更への批判が多数投じられた。さらにバトルパスの変更とは別にゲームへの不満を不評レビューとして投じるユーザーも続出し、いわゆるレビュー爆撃状態となっていた(関連記事)。

*7月17日時点のSteamユーザーレビューのグラフ

一方でその後7月25日、Respawn Entertainmentはプレミアムバトルパスを現金で販売する方針を取りやめるとし、従来どおりApex コインで販売する予定であると告知した。また、これまでと同じくプレミアムバトルパスを十分に進行すれば、プレミアムバトルパスの購入価格となる950 Apexコイン以上が還元されることも明言されている。

さらにシーズン22のスプリット1ではゲーム内チャレンジを達成することで、プレミアムバトルパスを無償で獲得できるという。つまり当初の方針変更の発表を受けてバトルパス購入分のApexコインを使い果たした場合でも、新たに課金せずにプレミアムバトルパスを獲得・購入し続けられるようにする配慮だろう。


依然として続く“レビュー爆撃”状態

しかしそうした方針転換が打ち出された後も、本作は少なくともSteamではユーザー評価の回復に苦戦している状況がみられる。Steamユーザーレビューでは新方針が打ち出された7月25日以降も、好評レビュー約600件に対して、不評レビューが6000件以上投じられている状況だ。同日以前より不評レビューの投稿数は減ったものの、依然として非常に多くの不評が寄せられている。新たに投じられたレビューではバトルパスの変更ではなく、足音に関する不具合やチート使用者の存在とった課題点のほか、バランス調整方針やゲームパッドのエイムアシストへの不満など、さまざまな意見が不評として投じられている。

評価ステータスとしては、7月17日時点で最近(直近30日間)のレビューが約3万3000件中83%が不評であったところからさらに不評レビューを増やし、本稿執筆時点では約8万5000件中93%が不評とする「圧倒的に不評」ステータスとなっている。全てのレビューのステータスは7月17日時点で「やや好評」だったところから「賛否両論」に転落している。

*本稿執筆時点(7月25日)のSteamユーザーレビューのグラフ

またSteam上での同時接続プレイヤー数を見ると、7月8日以前は連日ピーク時おおむね約25万人前後を記録していたプレイヤー数は同日を境に連日2万人程度の減少を見せている。シーズン終盤という時期も相まってか、7月25日以降もそうした傾向は引き続きみられる(SteamDB)。

バトルパスの販売方針変更を引き金に発生した『Apex Legends』Steam版へのレビュー爆撃状態や同時接続プレイヤー数の減少傾向。きっかけとなったバトルパス販売方針の撤回後も、少なくともSteamユーザーレビュー上では同作に逆風が吹き続けているようだ。ユーザーとの間でいちど深まった溝を埋める難しさも垣間見える。

なお7月25日の声明では、チーター対策やゲームの安定性、品質向上のためのアップデートが最優先事項であるとも伝えられていた。さらなる改善が必要であることは開発チームでも認識されているといい、シーズン22では“次のステップ”となるような多くの改善・ゲームの安定性に関わるバグ修正がおこなわれるという。上述したような課題点やユーザーの不満点が解消できるかどうかは注視される。またシーズン22開幕後も、Steamユーザーレビューやコミュニティの動向は注目されるところだろう。

Apex Legends』シーズン22は日本時間8月7日に開幕予定。また8月6日にはシーズン22アップデートのパッチノートも公開される見込みだ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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