『Papers, Please』『オブラディン』開発者、生成AIの普及で「開発中のゲームの話をしづらくなった」とこぼす。言いたいvs真似されるリスク
Pope氏は、自分が作っているものについて気楽に話せるようになってほしいと願っているとのこと。

ゲーム開発者のLucas Pope氏は、開発中のゲームのことを話しづらくなったという、ゲーム業界における状況の変化をポッドキャストで語った。
Lucas Pope氏はアメリカ出身で、現在は日本の埼玉県に居住しているゲーム開発者だ。代表作としては、2013年に『Papers, Please』を、2018年には『Return of the Obra Dinn』をリリース。いずれもSteamで「圧倒的に好評」ステータスを維持するなど、同氏の作品は高く評価されている。

そんなPope氏は、ゲーム開発者のRami Ismail氏とNo More Robotsの共同創設者であるMike Rose氏が配信するポッドキャスト「Mike & Rami Are Still Here」にゲストとして出演。Pope氏が自身のゲーム開発における考えを語る中で、ある業界の変化に触れた。同氏いわく、自身には何かを完成させたいという呪いのようなものがあり、開発を効率的に進め、最終的に何かを生み出したいという意味で、制作過程を重視しているという。その一方で、自身が取り組んでいることについて話すのも好きだと語る。
しかし、今日では取り組んでいる最中のものについてはあまり話さないほうがいいという雰囲気を感じているとのこと。なぜなら近年ではAIに“吸い上げられたり”、誰かに模倣されたりする可能性もあるなど、状況が少し変わってきたと感じるからだそうだ。Pope氏は、自分が作っているものについて気楽に話せるようになってほしいと願っているとのこと。

SNSなどの普及により情報を集めやすくなった現代では、過度なアイデアの開示は他人に模倣されるリスクも存在する。特に近年ではAI技術の発達・普及によって、SNS上に投じたコンテンツは学習データとして用いられる可能性もあるほか、誰もがアイデアを形にできるようにもなった。ツールに内蔵されるような開発過程の補助的な機能に留まらず、コードを一切書かずにカジュアルなゲームをまるごと生成する機能までもが発表されている(関連記事)。そうして作られたゲームが現時点でクリエイティビティのあるものかはさておき、優れたアイデアさえあれば誰でもゲーム開発に参加できるということも意味する。長年業界に携わる開発者としては、完成するまで自分の作品について話しづらいという現代の肩身の狭さも感じているようだ。
ちなみに、Pope氏はAIの利用には全く興味がないとのこと。「AIは自身の作業を早めてくれるかもしれない」としつつ、同氏は最終的な成果物だけでなくそれに取り組む過程を楽しみたいと思っているからだそうだ。また、AIは大勢の人を働かせているようなものであり、ソロのクリエイターである同氏にとってはどう指示するべきかも分からないという。
ところで、今回のポッドキャストでは、それが商業作品かは不明であるものの、Pope氏はいまもゲーム制作に夢中になっていると明かしている。ただ、同氏は前述したように、『Papers, Please』と『Return of the Obra Dinn』の二作で高い評価を獲得。同氏自身はそれに満足しているそうで、次回作を作るのであれば「二度と同じ成功はできないのではないか」という不安も抱いているそうだ。運がよかったという見方もしており、たとえ同じストーリーやメカニクスなどを用いてもどうなるかはわからないと感じているという。「運任せにしたくない」とも語っており、次回作を作るに当たっては、ヒット作を生んだクリエイターとしての重圧もある様子。Pope氏の作品を再び見ることができるのか、今後の発表に期待したい。
【UPDATE 2026/04/07 12:17】
Lucas Pope氏についての記述および記事見出しを修正
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