Ubisoftが「『ザ クルー』のサービス終了&プレイ不能」を巡って消費者団体に訴えられる。“Joy-Conドリフト問題”でも動いた団体
フランスの消費者団体であるUFC-Que Choisirは現地時間3月31日、Ubisoftが『ザ クルー』のサービスを終了したことを巡って、フランス・クレテイユ地方裁判所に提訴したことを発表した。

フランスの消費者団体であるUFC-Que Choisirは現地時間3月31日、Ubisoftが『ザ クルー』のサービスを終了したことを巡って、フランス・クレテイユ地方裁判所に提訴したことを発表した。この訴訟は、署名運動「Stop Killing Games」によって支持されているという。
『ザ クルー(The Crew)』は、2014年よりUbisoftが展開している同名のオープンワールドレーシングゲームシリーズの第1作だ。Ubisoftは2023年12月、『ザ クルー』の販売を突如終了し、2024年3月31日をもってサーバーがシャットダウンされることを伝えた。理由としては、サーバーインフラの維持やライセンス契約の問題があったとされている。ゲームを所有していたユーザーがサービス終了によりプレイできなくなる点は批判も呼び、その後本作を発端として、購入したゲームをサービス終了後もプレイし続けられるようにすることを業界に求める「Stop Killing Games」という署名運動へと発展することとなった(関連記事)。

こうした状況を受けて、続く2作目の『ザ クルー2』では、部分的にオフラインでのプレイが可能となる「ハイブリッドモード」をアップデートで実装するなど、Ubisoftはできる限り発売後のゲームへのアクセスを維持できるようにする仕組みの設計を続けてきた(関連記事)。ただ、『ザ クルー』は発売から時間が経ち、すでにサービス終了済みということもあってか、オフライン用の機能を実装する公式の動きは現時点では確認されていない。
今回訴訟を起こしたのは、フランスの消費者団体であるUFC-Que Choisirだ。同団体は過去にNintendo Switchのいわゆる“Joy-Conドリフト問題”について問題視し任天堂のフランス法人を提訴。また、欧州消費者機構と共に欧州委員会に苦情申立てをおこなっていた。最終的には、フランス国内の対象ユーザーがコントローラーを無償修理できるようにするなどの成果を上げてきた。
UFC-Que Choisirは発表の中で、Ubisoftがプレイヤーからゲームへのアクセス権を一方的にはく奪し、基本的な消費者権利を侵害したと主張。というのも同団体は、Ubisoftが販売するゲームのEULA(使用許諾契約)において、「THIS PRODUCT IS LICENSED TO YOU, NOT SOLD(この製品は使用許諾されるのであって、販売されるのではない)」と規定されている点を問題視。ゲームを購入してもユーザーが所有できるわけではないという点について、合法性に疑義を呈している。なお、この訴訟は前述した「Stop Killing Games」の支持を受けたものだといい、同運動のゼネラルディレクターであるMoritz Katzner氏もReutersに対してコメントを寄せている。

なお『ザ クルー』のサービス終了を巡っては、2024年11月にユーザー2名が米国・カリフォルニア州東部地区連邦地方裁判所にて提訴していた。なお同訴訟は最終的に原告側によって「without prejudice」、すなわち再提訴の可能性を保持するかたちで取り下げられている。この際にUbisoftは、『ザ クルー』のパッケージにはオンライン専用であることが明記されており、また公式サイトにて30日前に通知した上で、オンライン要素へのアクセスを打ち切る可能性があることを記載していると主張していたとされる(関連記事)。今回フランスで提起された訴訟では、Ubisoftからどのような反論がおこなわれるのかも注目される。
ところで、『ザ クルー』のオンラインプレイを維持するべく、同作Steam版がオフラインで利用できるようになるプロジェクトも有志によって誕生していた(関連記事)。あくまで非公式ではあるものの、ユーザーは工夫を凝らして遊ぶ方法を模索しているわけだ。近年発売されるゲームには、たとえシングルプレイ可能なゲームであってもオンライン接続が必須となるケースもある。訴訟の行方によっては、ゲームにどのような要素が盛り込まれるかなど、ゲーム開発の方向性も変化するかもしれない。
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