初代『トゥームレイダー』の開発元、日本版の販売担当に「主人公ララ・クロフトの顔をアニメ調に変更して」と求められ断っていた。“日本ウケ”狙いは却下

『トゥームレイダー』シリーズの1作目の日本版において国内販売元は、ゲーム内の3Dモデルをアニメ・漫画調のデザインにすることを希望していたという。

アクションアドベンチャーゲーム『トゥームレイダー(Tomb Raider)』シリーズの1作目の日本版においては、アニメ・漫画調で描かれた主人公ララ・クロフトなどのイラストが取扱説明書などに使用されていることで知られる。ただ国内販売元は、ゲーム内の3Dモデルもそうしたスタイルにすることを希望していたという。当時を知る開発者が明かしている。

『トゥームレイダー』シリーズの1作目は、日本では『トゥームレイダース』というタイトルでセガサターンおよびPS1向けに1997年に発売。考古学者であり冒険家でもあるララ・クロフト(日本版ではレイラ・クロフト)が、古代遺跡を舞台に冒険をする。本作は大きなヒットを記録しシリーズ化され、現在に至る。

『トゥームレイダース』の開発元Core Designでプログラマーを務めたPaul Douglas氏は2021年2月、“漫画スタイル”に描かれたララ・クロフトなどのイラストをSNSに投稿した。これは日本版の取扱説明書の人物紹介部分に使用されたイラストで、当時発売された攻略本の表紙にも採用されていたもの。ゲーム内のララ・クロフトとはかなり雰囲気の異なる、まさに日本の漫画風に描かれたイラストとなっている。

投稿当時Douglas氏は、本作の日本での販売元を務めたビクター インタラクティブ ソフトウェア(以下、ビクター)が、ララ・クロフトの西洋的なデザインは日本では受け入れられないだろうとし、キャラクターモデルの変更を求めて独自案を送付してきたと説明。結果的にそれは採用されなかったが、代わりに説明書などに使用されることになったそうだ。

その漫画スタイルのイラストが使用された書籍においては、見慣れないララ・クロフトの3Dモデルが掲載されたものも存在する。Douglas氏は1月19日、それに気づいたファンの問い合わせに対し、本作の開発終盤当時に、ビクターからはララの目や頭を大きくするなどの変更の要望があったとコメント。当該3Dモデルは、そうした要望が反映されたデザインのようにも思える。

以前のDouglas氏の投稿によると、当初ビクター側はカットシーンを含むすべてのゲーム内モデルの変更を希望していたという。しかしCore Design側が難色を示したからか、要望はララだけの変更に縮小し、最終的にはララの頭部だけでも変えてほしいと要求されたそうだ。結果としては、アーティストのToby Gard氏がララの改変を望まなかったこともあり、採用しなかったとのこと。

なお、先述した目の大きなララの3DモデルについてDouglas氏は、誰が手がけたものか分からないとコメントしている。ビクター側がサンプルとして制作したのか、あるいはCore Design内で試作されたものだろうか。ゲームに実装できる状態にあったのかどうかも不明だ。ただ、もしToby Gard氏らがビクターの要望を受け入れていたら、ララ・クロフトのビジュアルのイメージは今とは大きく変わっていたかもしれない。

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Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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