“XboxのボスPhil Spencer氏が引退予定”とのデマが流れるも、マイクロソフトが即否定。そんな予定はない

“Phil Spencer氏が引退する”との風説が流れ、マイクロソフト側が否定するという一幕があった。

マイクロソフトにて9000人以上におよぶレイオフが実施されることが明らかとなった。ゲーム部門も対象となり、一部傘下スタジオでのレイオフや、スタジオ閉鎖も報じられている。

そうしたなかで“Phil Spencer氏が引退する”との風説が流れ、同社が否定するという一幕があった。海外メディアThe Vergeが伝えている。

Phil Spencer氏といえば、マイクロソフトのゲーム部門Microsoft GamingのCEOで、Xbox事業を率いている人物だ。熱心なゲーマーであることも知られ、時おり達成した実績やMicrosoftアカウントのゲームのプレイ状況を公表してコミュニティを賑わしている(関連記事)。


今回マイクロソフトが幅広い部門・地域を対象に9000人以上におよぶレイオフを実施することが明らかになった。ゲーム部門も対象となっており、Windows Centralなどの各誌はPhil氏が従業員に送ったメールの内容も報道。このなかで同氏は、事業の一部を縮小または停止するとし、マイクロソフトの方針に従って、管理職層の階層を削減し、俊敏性と効率性を高めると伝えていた。

そうした状況下で『Call of Duty』シリーズのリーク情報を扱うとあるXアカウントが、「次世代Xboxの発売後、Phil Spencer氏がMicrosoft GamingのCEOを引退する」という風説を“独占情報”として流布。海外掲示板Redditなどでも拡散される事態となった。

この噂については、マイクロソフト側がすぐさま否定。海外メディアThe Vergeがマイクロソフトのゲーム部門の広報担当バイスプレジデントKari Perez氏のコメントとして伝えるところによると「Phil氏は当面引退することはない(Phil is not retiring anytime soon)」という。またマイクロソフトの最高コミュニケーション責任者を務めるFrank X. Shaw氏もXアカウントにて、Phil氏が引退するという報道を否定している。つまり、広まっていた噂は根も葉もないわけだろう。

なお今回のレイオフでは、KingやZeniMax Mediaなどでの人員削減のほか、『Perfect Dark』リブート版の開発が中止されThe Initiativeが閉鎖されることも報じられている。またRare社で10年以上にわたって開発されてきた『Everwild』も開発中止になるという。レイオフとなるスタッフの総数は明らかではないものの、マイクロソフトのゲーム部門が少なからぬ影響を受けることがうかがえる。

またゲーム部門では、昨年1月に約1900人を対象とするレイオフが実施。さらに昨年5月にはZeniMax Mediaおよび同社傘下のBethesda Softworksが擁するTango GameworksとArkane Austin、Alpha Dog Games、Roundhouse Studiosが閉鎖された(Tango GameworkはのちにKRAFTONにより事業継承)。昨年から今年にかけて、プロジェクト中止や傘下スタジオの閉鎖が相次いでいる状況だ。

そうした背景もあってか“ゲーム部門CEOであるPhil氏が引退予定”という噂がまことしやかに広まったものの、マイクロソフト側により即座に否定されることとなった。ただ先述したとおりレイオフの影響で開発中止されたタイトルが次々と報じられている状況もある。ゲーム部門ではどの程度の規模のスタッフが影響を受けるのか、引き続き動向は注目されるだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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