発売を二回延期した『Prison Architect 2』、今度は開発元交代。新体制でゲームの安定性アップを目指す
パブリッシャーのParadox Interactive(以下、Paradox)は5月14日、『Prison Architect 2』の開発からDouble Elevenが離脱することを発表した。後任は昨年秋から本作の開発に参加していたKokkuが務めるという。本作は当初3月27日に発売が予定されていたものの、二度の延期を経て日本時間9月4日にリリース予定となっている。対応プラットフォームはPC(Steam)。
『Prison Architect 2』は、刑務所運営シミュレーションゲーム『Prison Architect』の続編だ。プレイヤーは刑務所を一から建設し、受刑者を受け入れるための設備・人員を整えていく。食堂などの生活用設備を用意して、囚人たちの日々のスケジュールを管理。また牢屋や監視塔なども建設して脱走や暴動を防ぎ、囚人たちを上手く統制することを目指すのだ。
新作では大きな変化としてグラフィックが2Dから3Dに刷新。刑務所を複数階にわたって三次元的に建築できるようになるなど、さまざまな面で前作からパワーアップしていることがアピールされている。
開発を手がけていたのは英国に拠点を置くDouble Elevenだ。前作『Prison Architect』においては、Paradoxが2019年1月に開発元Introversion Softwareから同作のIPを買収(関連記事)。Double Elevenは買収後の『Prison Architect』のアップデートやDLC開発を手がけ、新作となる『Prison Architect 2』の開発も担当していた。
『Prison Architect 2』は当初今年の3月27日に発売すると告知されていたものの、5月8日に延期。さらに先日には日本時間9月4日に再延期となることが発表された。発表によると本作はすべてのプラットフォームにて販売前の認証を通過しリリースの準備も整っていた一方で、特に最小要件のシステム構成では不具合なくプレイできる水準に達していなかったとのこと。メモリ使用量を改善することでこれに対処したものの、新たにクラッシュが増加する状況が発生。ゲームの安定性を高めるために、延期が決定されたという。
そして今回、Double Elevenが本作の開発から離れることが発表された。同スタジオには契約上、本作がすべてのプラットフォームにて認証に合格するまで開発を進めることが求められていたとのこと。先述のとおり本作は延期となったものの一度は認証を通過しており、契約は履行されたと判断されたそうだ。しかし今後についてはParadoxとDouble Eleven両社にとって有益となる商業的な合意を至ることができず、別々の道を歩むことになったとされている。
新たに『Prison Architect 2』の開発を手がけるのはブラジルに拠点を置くKokku。これまで『Horizon Forbidden West』の3Dアートなど、受託開発を主軸に活動してきたスタジオのようだ。昨年秋からDouble Elevenのサポートを受けながら『Prison Architect 2』の開発に携わってきたそうで、Double ElevenとKokku、Paradoxの三社で本作の長期的なビジョンについての話し合いも重ねてきたという。そうしてParadoxは『Prison Architect 2』の今後を任せるのにベストな会社と判断し、Kokkuにバトンを託すことになったそうだ。
新たにKokkuのもとでリリースに向けた開発が進められる『Prison Architect 2』。先述したようにゲームの安定性向上に取り組まれるといい、開発状況の詳細はストリーミング配信や開発者ブログとして公開されていくそうだ。なお同じくParadoxがパブリッシングを手がけたゲームのなかで、直近では『Cities: Skylines II』が最適化不足や不具合などの課題を抱えたままPC向けにリリースされ、引き続き批判が寄せられている状況もある。
『Prison Architect 2』についても人気作の続編であり、『Cities: Skylines II』の前例を踏まえてよりじっくりとブラッシュアップされる方針がとられたのかもしれない。そしてすべてのプラットフォームでの認証通過後のリリース延期を受け、今回開発元Double Elevenの離脱が決定したかたち。日本時間9月4日のリリースに向けて開発が順調に進められるかどうかは注目されるところだろう。
『Prison Architect 2』は、PC(Steam)向けに日本時間9月4日にリリース予定だ。