マイクロソフト、独自のゲームアプリストアを7月に開設へ。“Web上”で地域やデバイスを問わず利用可能
マイクロソフトは今年7月に、独自のモバイルゲームストアを開設予定だという。海外メディアBloombergが報じている。
Bloombergが伝えるところによると、同誌主催のBloomberg Technology Summitにて、マイクロソフトのXbox部門の社長であるSarah Bond氏が同社のモバイルゲームストアについて言及。Sarah氏によれば、ストアは今年の7月に開設予定だという。まずは『Candy Crush Saga』などの傘下スタジオのゲームの提供からスタートし、ほかのパブリッシャー向けにも開放していく予定とのこと。なおストアはモバイル向けアプリとしてではなくWeb上に開設予定だという。そのためデバイスや地域などを問わずアクセスが可能になるそうだ。
ちなみにマイクロソフトにモバイルゲームストアを開設する方針があることは、かねてより示唆されてきた(The Verge)。また2023年11月末にコンベンションイベント「CCXP」においてマイクロソフトのゲーム部門CEOでXbox事業を率いるPhil Spencer氏は、モバイルゲームストアの立ち上げを支援するパートナー企業との話し合いを進めていることを明かしていた(Bloomberg)。
マイクロソフトは昨年、Activision Blizzardの買収を完了。先述した『Candy Crush Saga』を手がけるKing Digital Entertainmentのほか、『Call of Duty: Mobile』を展開するActivisionなどを傘下に収めた。Activision Blizzardがもつそうした強力なモバイル向けIPやノウハウを活かしつつ、今回独自のモバイルゲームストアが立ち上げられるようだ。
現時点ではモバイルゲームも含め、アプリストアはGoogleの運営するGoogle PlayとAppleの運営するApp Storeが独占している状況もある。両ストアでは基本的に30%のストア手数料が設けられており、過去には手数料の存在や外部決済サービスの提供が認められていないことなどを巡ってEpic Gamesが両社を訴訟。Googleについては敗訴し、現在Epic Games側が要求する措置について協議中だ(The Verge)。一方Appleについては訴訟の結果、App Storeでは外部決済サービスの導入などが認められたものの、新たな手数料などの条件が設けられている(関連記事)。現時点では、依然として両ストア独占の状況は続いているといえる。
マイクロソフトが自社ストアを立ち上げる背景にも、Google PlayとApp Storeの独占状況に対抗する狙いがあるという。Activision Blizzardのもつ強力なIPやモバイルゲーム向けのノウハウが活かされる点のほか、ストアがモバイル向けアプリではなくWeb上で運営されるという点は興味深い。新たなストアがモバイルゲーム市場にどのような影響を与えるか注目されるところだろう。