『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて「超火力魔物たたき棒」が発明される。物理演算とゾナウギアの“クセ”を利用したゴーレム頭突きマシン
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて、浮遊石とゴーレムの頭を組み合わせて魔物に大ダメージをあたえる装置が考案された。2種類のゾナウギアを組み合わせただけの簡単な装置ながら大ダメージが発生し、シュールな見た目も相まってか注目を集めている。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、Nintendo Switch向けに発売中のアクションアドベンチャーゲームだ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、ブレス オブ ザ ワイルド)の続編にあたる。本作では、そんなリンクの右手に宿る「ウルトラハンド」の能力によって物体やゾナウギアを組み合わせ、さまざまなものをビルドできる。
制作物は一部ユーザー間で“ゾナウビルド”と呼ばれ、国内外問わずSNSなどで日夜共有されている。海外掲示板Redditでは、魔物討伐用から単に挙動が面白い装置などのさまざまな装置が、主に「r/HyruleEngineering」などで盛んに披露されている(関連記事1、関連記事2)。
そんな本作にて、シンプルな設計で魔物に大ダメージを与える装置が作られた。装置を報告したのはRedditユーザーのevanthebouncy氏。投稿された動画では、浮遊石の先端にある、ゴーレムの頭を連結させて作られた棒が魔物をめがけ振り下ろされている。
ゴーレムの頭は単体で使用する場合、周囲にいる敵の方向を向き続けるというゾナウギアだ。ユーザー検証によると、ゴーレムの頭は敵の中心を狙うのではなく、中心を対象とした長方形の隅を狙うような挙動となっているため、小刻みに動き続けるという。その動きが複数組み合わせることにより増幅され、「共振」のように振動するのではないかとユーザーに推察されている。その振動を攻撃に利用しているようだ。
さらに注目したいのはその叩きつけの威力だ。白銀ボスボコブリンや白銀ボコブリンといった、高体力の魔物がゴーレムの頭の一撃によって討伐されている。ゴーレムの頭が頷くように上下しているだけなのに一撃で魔物を葬ってしまうという奇妙な光景ながら、その威力は本物。見た目と威力のギャップが面白い点も注目を集めたかたちだろう。
ここまでの高威力が発生する理由について、evanthebouncy氏は、本作の衝突ダメージの仕様に関する見解を説明している。衝突ダメージが計算されるにあたり、本作ではいくつかのデータを参照するのだという。同氏によると、装置の総重量、衝突時の速度、そして衝突の角度が関係しているそうだ。
そして同氏は、現実世界での物理に触れつつ“魔物たたき棒”が高威力になる原理を推察。たとえば現実世界で100トンの体重を持つ人が平たい麺のような、軽く長い物体で叩いたとしても大した衝撃にならない。しかしハイラル世界ではそうした軽い物体にも“100トンの人”の運動量が伝わるようで、装置の重量が攻撃の威力に繋がるという。浮遊石は重量があるゾナウギアのため、ゴーレムの頭の振動攻撃にその重量が加算され、結果魔物を一撃で倒すほどの威力となったとしている。
今回“魔物たたき棒”を作成したevanthebouncy氏はこのほかにも、衝突ダメージを利用した浮遊石ロケットや、棒を回転させて高威力の攻撃をたたき出す装置などを開発している。いずれも装置に浮遊石が用いられており、重量によるダメージの底上げを図っているかたちだろう。発売から8か月以上経つ本作ながら、物理演算の特徴やゾナウギアの性質が考察され、効率的な攻略が可能な装置が追求されている点は興味深い。魔物を楽に討伐したいという人は、evanthebouncy氏の投稿動画を参考にビルドしてみてはいかがだろうか。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに発売中だ。