販売停止・返金処理された『The Day Before』に「ときどきプレイヤーがいる」とのデータ。数日おきに現れる幽霊のような謎のひとり
開発元のFNTASTICが閉鎖となった『The Day Before』は、現地時間1月22日にサーバーが停止される予定となっている。すべての所有者向けに返金対応がおこなわれたとされる本作ながら、SteamDBによるといまだに時折プレイヤーが現れるようだ。海外メディアPCGamesNが伝えている。
『The Day Before』は、パンデミック後のアメリカ東海岸を舞台とするオープンワールドサバイバルMMOと標榜されていた。本作は2021年1月に発表されたのち、幾度も発売延期を重ねながらも昨年2023年12月8日にPC(Steam)にて早期アクセス配信開始。一方でサーバー問題や品質面などの課題を数多く抱えていたことから多くの不評が寄せられる結果となった。
そうしたなかで開発元のFNTASTICは昨年12月12日に、スタジオを閉鎖して『The Day Before』の開発を中止すると発表。あわせてSteamでの本作の販売も停止された。そして12月22日にはFNTASTICが正式に運営を終了したと発表し、現地時間2024年1月22日にサーバーが停止されることが決定となった。また本作販売元のMytonaがSteamとの協力のもと、購入者全員への返金に取り組んでいるとも伝えられていた。
なお昨年12月22日以降SNS上では「『The Day Before』が勝手に返金処理されている」との報告も相次いでいる。基本的に本作の返金は希望したかどうかに関わらず、所有者向けに自動的に処理されたようだ。そのため今年1月22日まで本作のサーバーは稼働していると伝えられていたものの、実質的にはプレイできない状態にあると見られる。
しかしSteamの非公式データベースSteamDBは、本作には同日以降プレイヤーがいたことを示している。SteamDBの本作の同時接続プレイヤー数チャートを見ると、本作のプレイヤー数はスタジオ閉鎖が発表された12月12日以降も数百人程度で推移していたが、サーバー停止予定が告知された12月22日にプレイヤー数が激減。しかし数日おきに断続的に同時接続プレイヤーが1~2人存在していたとのデータが確認できる。たとえば直近では日本時間1月16日17時40分ごろにひとりだけプレイヤーがいたようだ。
すべての所有者向けに返金処理がおこなわれたと見られる本作になぜプレイヤーが存在するのかは不明。元開発スタッフが何か目的があってログインしているか、あるいは何らかの方法で返金処理をかいくぐったのか。あるいはSteamDBが実際にはいないプレイヤーをカウントしているのか。開発元FNTASTICの運営が終了していることもあり、SteamDB上で“幽霊”のように断続的に現れる本作のプレイヤーの正体を確かめる手段はないだろう。
なお本作のゲームキー(製品コード)はスタジオ閉鎖発表後、非正規のゲームキー販売サイトにて価格高騰を見せていた(関連記事)。本稿執筆時点でも一部サイトでは販売が続いている。こうしたゲームキーが実際に購入できるかどうかは不明。また購入できたとして、すべての所有者向けに返金処理がおこなわれるとみられる現在、どのような処理となるのかも不明だ。あるいは“幽霊”の正体は、そうした非正規のゲームキーで購入したユーザーかもしれない。いずれにせよSteamDB上に現れている謎のひとりのプレイヤーも、サーバー停止になるという現地時間1月22日以降は姿を見せなくなるかもしれない。