地下道歩きホラー『8番出口』をVFXのプロが“実写”映像再現。巧みに表現されるリアルな異変に開発者も驚く

実写とVFX(視覚効果)を組み合わせて『8番出口』の地下通路や異変を再現する映像が投稿された。大きな注目を集め、本作の開発者も驚きを示している。

実写とVFX(視覚効果)を組み合わせて『8番出口』の地下通路や異変を再現する映像が投稿され、大きな注目を集めている。VFXのプロにより精巧に作られた映像に、開発者のコタケノトケケ氏も反応を示している。


『8番出口』は、ホラー要素のある短編ウォーキングシミュレーターだ。本作の舞台は、無限に続く地下通路。標識を見る限り8番出口の近くにいるようだが、歩いても出口にたどりつくどころか同じ道をループしてしまう。通路の案内板を見るに「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」「8番出口から外に出ること」が通路のルールであり、脱出の糸口のようだ。プレイヤーは地下通路の異変を観察しながら、出口を目指す。

今回、本作をもとにした「実写版・8番出口」とされる映像が投稿され、大きな注目を集めている。映像を投稿したのは映像ディレクションチームVeAbleの代表を務める涌井嶺氏だ。

*ホラー演出が含まれるため視聴の際は留意されたい


涌井氏が投稿したのは天井に蛍光灯が不規則に並んだ不気味な地下通路を進む映像だ。通路の右側にあるドアが誰もいないのに激しく開閉されており、不穏な雰囲気を引き立てている。天井にある電光案内板には「引き返せ引き返せ引き返せ」との文字が見られ、その後体が壁のタイルのような模様をした人型の異変がこちらに迫りくる恐怖演出と共に映像は締めくくられている。

この世ならざる地下通路の様子を見ると『8番出口』のゲーム内映像かと錯覚してしまうものの、これは実写にVFX(視覚効果)を加えた映像のようだ。涌井氏率いるVeAbleは、クロマキー技術を用いた実写合成VFXによるバーチャル映像制作をおこなっている映像ディレクションチームだ。その場で撮っているかのようなリアルさ・空気感の映像表現を得意としているという。今回の「実写版・8番出口」も実写映像をもとにVFXで異変が盛り込まれていると見られるものの、異変が自然なかたちで精巧に表現されている。同氏やVeAbleのテクニックが活かされているのだろう。

*「実写版・8番出口」について『8番出口』開発者のコタケノトケケ氏も驚きを示している

ちなみに『8番出口』のゲーム内にも地下通路の蛍光灯が無造作な配置になる異変が存在。同作開発者のコタケノトケケ氏によれば、この異変は東京都の都営地下鉄大江戸線・清澄白河駅を参考にしたそうだ(BuzzFeed)。一方で『8番出口』の地下通路自体のモチーフは別にあるそうで、こちらについては「秘密にしておきたい」という。ちなみに清澄白河駅の蛍光灯は、地上の喧騒を表現するパブリックアートだそうだ(産経ニュース)。

『8番出口』は昨年2023年11月29日に配信開始され、高い評価と人気を獲得。「8番出口ライク」なフォロワー作品も現れている(関連記事)ほか、ファンアートなどもさまざま制作されてきた。そうしたなかでVFXのプロによって作られた「実写版・8番出口」は、『8番出口』開発者の目に留まるほど大きな注目を集めているかたちだ。

『8番出口』はPC(Steam)向けに発売中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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