スパイク・チュンソフトは12月21日、『バルダーズ・ゲート3』国内PS5版を発売した。このことで本作における、キャラクターの局部の表現規制が“独特”だと国内ユーザー間で話題を呼んでいる。
『バルダーズ・ゲート3』はファンタジー・テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を原作としたRPG『Baldur’s Gate』シリーズのナンバリング最新作。開発は『Divinity』シリーズ開発元のLarian Studiosが手がけている。本作は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の第5版ルールをベースとし、TRPGのメカニクスをゲームに落とし込み。広大なファンタジー世界を自由度高く、仲間と共に冒険するRPGだ。
本作は日本語版に先駆け、グローバル版が2023年8月に正式リリース。12月8日に行われた「The Game Awards 2023」にて、ゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、日本語版リリース前から大きな話題となっていた。
そんな本作の国内PS5版では、ゲーム内演出に関してグローバル版と表現が一部変更。スパイク・チュンソフトの公式ホームページにて、国内PS5版ではグローバル版と表現差異があることが前もってアナウンスされていた。具体的にはグロ・ゴア表現が一部修正されたほか、オプション内にある「露骨な内容のコンテンツ」の項目が削除。項目内にある「性器の表示」、「ムービーの裸体表現を表示」、「プライベートな時間の共有」がすべてオフにされた際の表現に固定されているとのこと。このうち性器の表示がオフになったキャラクターの局部が「常時葉っぱで覆われた状態」となる点が注目を集めている。
本作のキャラクターは鎧などの装備の下に下着が装着されており、下着を外すと局部が露わになる仕様になっている。また、本作はともに冒険する仲間と交友を深める中で、一部選択肢によっては性行為へと発展するなど、なにかと局部が出る場面がある。一方で性器の表示をオフにすることで、局部がそのまま出ないようになるわけだ。さらにその方法は「葉っぱで隠す」というワイルドな仕様。ただ隠すのではなくコミカルでクスリとくるような施策といえる。この表現はグローバル版でも性器の表示をオフにすることで確認できた。
今回、国内PS5版が発売され、同バージョンでは常時性器の表示がオフになっていることもあってか、国内SNS上では一部ユーザーの中で話題を呼んでいるようだ。作品の雰囲気を壊さない規制になっているといったポジティブな意見も見られる。
海外の開発元作品では、大人向けの表現としてキャラクターの性器を描写するゲームも見られる。一方でそうした表現が苦手なユーザーや動画配信などを見越してか、近年では『サイバーパンク2077』などオプションでオフにできる配慮のある作品も存在する。
また特に国内コンソール向けに移植される作品では、CEROで禁止表現とされている「局部の描写」への対処がおこなわれる。その際の「局部の隠し方」はゲームによってさまざまだ。たとえばNintendo Switch版『スーパーリアル麻雀PⅤ』では“謎の白い光”で局部を隠す仕様で、女の子の動きに合わせて光の線も動き見えそうで見えない絶妙な修正がおこなわれていた。ところが当初は一瞬だけ乳首が光からはみ出して見えるといったシーンが存在。このことが原因となってか一時配信停止となり、パッチによる修正がおこなわれて配信が再開された(関連記事)。
いずれにせよ、ユーザーへの配慮や移植に際しての局部の隠し方にはさまざまなアイデアや工夫が凝らされているようだ。『バルダーズ・ゲート3』ではLarian Studiosにより「葉っぱで局部を包む」という風変わりなアイデアが採用されているかたち。日本人にとってほんのり懐かしい気もする葉っぱ一枚で局部を隠す仕様は、国内ユーザーの笑いを誘っている様子だ。
『バルダーズ・ゲート3』は国内PS5版は12月21日より発売中だ。またPC(Steam)向けのグローバル版にも日本語に対応するアップデートが配信されている。