無限地下道ホラー『8番出口』、最速で出口を目指すRTAが盛り上がる。駅構内をカニ歩きで全力ダッシュ、80秒足らずで出口に至る者も

 

KOTAKE CREATEが11月29日にSteamにリリースした『8番出口』のスピードランが早速盛りあがっているようだ。その最速クリアタイムは、すでに1分20秒を切っているようだ。


Speedrun(スピードラン)とは、日本ではRTA(リアルタイムアタック)とも呼ばれる、ゲームクリアなどの目標を達成するまでの時間を競いあう競技だ。スピードランの対象となっているゲームやレギュレーション、世界記録ランキングなどはSpeedrun.comを代表とする統計サイトで確認することができる。

今回そのスピードランの対象となっているのは『8番出口』だ。本作は無限に続く地下通路を舞台とする、短編ウォーキングシミュレーターホラーである。プレイヤーは地下通路の異変を観察しながら、出口への道を探す。通路で異変を見つければ引き返し、見つからなければそのまま進む。そうして観察しつつ異変を見つけ、正しく進むことで8番出口に向かっていくこととなる。

本作は、Steamの最大同時接続プレイヤー数が2000人を超えることもあり、また売上が発売後1日で3万本以上を突破したりするなど、さっそく人気を博している(関連記事)。本稿執筆時点でもSteamユーザーレビューでは1112件中94%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。そんな本作は、早速スピードランの対象として盛りあがりを見せているようだ。

Speedrun.comによると、『8番出口』のリーダーボードが作成されたのが11月29日。その翌日30日にはすでに走者が記録を残していたようだ。本稿執筆時点では4種類のレギュレーションがあり、バグなどを使用せずにクリアする「Beat The Game」や、それに加えて遭遇した異変が何かを把握する必要のある「Find Anomalies」、全異変に遭遇する「All Anomalies」、バグ利用ありの「Glitched」が存在している。なお「Glitched」のランに用いられているバグは12月2日に配信されたアップデートVer1.01にて修正済み。

Beat The Gameカテゴリーの走者のプレイ動画では、通路をカニ歩きで駆け回り、地下通路をシャトルランのように往復。あっという間に8番出口に到着している。その光景はホラーゲームのプレイ動画というよりは、遅刻寸前で慌てている人を収めた動画のようにも見える。

また異変の詳細を明記する必要のあるFind Anomaliesでは、どんな異変かを確認した瞬間にすばやく引き返しているのがわかる。おそらく走者なりの確認ポイントやコツがあるのだろう。こちらのランも足を止めることなく地下通路を爆走している。そのほかカテゴリーにおけるいずれのランも常に走り続け、迷うような素振りも見せずに出口に向かっており、本作のスピードランはなかば徒競走の様相を呈している。

このスピードランの盛りあがりは作者のコタケノトケケ氏も把握しているようだ。12月3日にはXアカウントで走者がすでに14人もいることに言及(本稿執筆時点では16人)。また、国内最大級のRTAイベント「RTA in Japan」でレースしてほしいと、自身の希望を投稿した。

お手頃な値段でありつつ好評を収めている『8番出口』。本作の盛りあがりはスピードランの分野にも影響を及ぼしているようだ。『8番出口』は、PC(Steam)向けに発売中。12月7日まではリリース記念セールとして定価から10%オフの423円でゲームを購入できる。