『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて「空飛ぶ箒」が作られる。ゾナウビルドは“魔法”の域に
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて、ウルトラハンドを活用して「空飛ぶ箒」を作ったユーザーが現れた。“魔法”のような発明に注目が集まっている。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、Nintendo Switch向けに発売中のアクションアドベンチャーゲームだ。本作では、リンクの右手に宿る「ウルトラハンド」の能力によって物体やゾナウギアを組み合わせ、さまざまなものをビルドできる。制作物は一部ユーザー間で“ゾナウビルド”と呼ばれ、国内外問わずSNSなどで日夜共有されている。海外掲示板Redditでは、特に「r/HyruleEngineering」などで盛んに披露されている(関連記事1、関連記事2)。魔物討伐用から、単に挙動が面白い装置など、その種類はさまざまだ。
そんな本作にて「空飛ぶ箒」が作られた。制作者はRedditユーザーのScared_Cry_4931氏だ。魔法のような発明品に注目が集まっている。
投稿された動画を見ると、空飛ぶ箒はハイラル米と木の枝をスクラビルドしたと見られるお手製の“箒”に操縦桿を装着。リンクが操縦桿を握ると頭上の扇風機が風を巻き起こし、おもむろに箒が飛びあがる仕組みだ。宙に浮いた扇風機が奇妙ながら、箒が空を飛んでいるように見えるマシンだろう。
なお通常では空中で飛び去ってしまう扇風機を、宙に浮かんだまま固定させているのが「Stake Nudging」と呼ばれる現象だ。Stake Nudgingは2つのビルド素材をくっ付けたうえでそれぞれに杭を装着。所定の手順をおこなうことで、素材同士をくっつけたまま空間的に離れさせる、という手法だ。Stake Nudgingの手法は、ユーザーによりr/HyruleEngineeringおよびYouTubeに投稿された動画などで紹介されている。
筆者も実際に試してみると、最新バージョン(Ver.1.2.1)でも利用可能なことが確認できた。まず操縦桿と扇風機を用意して組み合わせ、両端に杭を取り付けそれぞれ地面に差し込む。続いて、片側の杭だけを取り外しつつ少し遠ざける。すると取り外されたはずの素材に杭が再度接着する挙動を見せる。これを繰り返すと、杭によって固定された2つのビルド素材の間に細い隙間ができるのだ。
この作業を何度も繰り返すことで、次第に隙間が大きくなっていき、そこを埋めようとする“接着剤”部分がどんどん広がっていく。一定距離をあけると杭は素材にくっ付き直さなくなるものの、ブループリントを利用するとさらに同様の手順を繰り返すことが可能。最終的に接着剤部分が消え、見かけ上は離れていても実際には接着された1つの物体としてふるまうパーツが完成する。これをお手製の“箒”にくっ付ければ空飛ぶ箒の完成というわけだ。
Stake Nudgingは、杭と素材があればさまざまなものを引きはがしつつ接着することができるとされている。たとえばゴーレムの頭でStake Nudgingをおこなえば、頭上に浮かんだゴーレムの頭が敵を追尾してくれる。大砲や光線の頭などを取り付けて“自動迎撃ドローン”のようにふるまわせることもできるだろう。
なお箒を発明したScared_Cry_4931氏は、別のユーザーfriendlywhitewitch氏が2か月前に投稿した空飛ぶ箒風の乗り物にインスピレーションを受け、自己流の空飛ぶ箒を作ったという。ユーザー間でビルドのテクニックやユニークな形状の乗り物が共有され、新たな発明が生み出されているかたちだ。発売から半年以上経つ今なお活発なもの作りがおこなわれており、今後のコミュニティの動向も注目される。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに発売中だ。