セガ副社長、同社が買収されることはないだろうと明言。マイクロソフトにより買収交渉が検討されていたとの報道にアンサー
マイクロソフトによるActivision Blizzardの買収に関して今年6月におこなわれていた裁判では、「マイクロソフトがセガの買収交渉を検討していた」ことを示す社内文書も公開されていた(関連記事)。一方でセガ側には、買収のような取引を受けるつもりはないようだ。セガの代表取締役副社長を務める内海州史氏がCNBCのインタビューにて伝えている。
CNBCはテックカンファレンス「Web Summit」にて、セガの代表取締役副社長を務める内海州史氏にインタビューを実施。そのなかでは「マイクロソフトがセガの買収を検討していた」との報道に関する言及もあった。
というのも、今年の6月におこなわれたマイクロソフトによるActivision Blizzardの買収に関する裁判においては、マイクロソフトの社内文書が公開。そのなかではマイクロソフトのゲーム部門CEOでXbox事業を率いるPhil Spencer氏が、上層部に向けてセガの買収交渉を提案する過去の社内メールも明かされていた(The Verge)。一方でマイクロソフトの首脳陣がこの提案を承認したかどうかは定かではなく、マイクロソフトによるセガの買収交渉が実際におこなわれたかも不明であった。
内海氏は今回のインタビューにて、多くの企業から関心を寄せられていることを光栄に思うとコメント。一方でセガには魅力的なIPや将来性があり、また親会社であるセガサミーホールディングスは強力な後ろ盾になっていると述べた。そのため、買収のような取引は起こらないだろうとの見方を示している。
またインタビューでは今年4月に発表された、セガによるRovio Entertainment(以下、Rovio)の買収についても言及されている。Rovioは『アングリーバード』などの開発元として知られるフィンランドのモバイルゲーム企業で、SEGA Europeを通じて公開買付けがおこなわれる予定。セガはまだ成長の機会を探しているといい、買収されるのではなく買収する側として事業を展開する戦略があるようだ。
なお内海氏によると、映画「ソニック・ザ・ムービー」シリーズの興行的な成功なども踏まえて、セガには自社IPのコンソール向けゲームにとどまらない展開をおこなう方針があるという。「ペルソナ」や「龍が如く」といった主要IPに加えて、クラシックなIPの復活も検討されているそうだ。映画だけでなくモバイルゲームやメタバースプラットフォーム「Roblox」への展開も視野にあるとのこと。幅広いユーザーにIPを広める狙いがあるようで、Rovioの買収もその一環と見られる。さまざまな人気IPを擁するセガが今後どのような展開をおこなっていくのかは注目されるところだろう。