『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』は「Kawaii Physics」プラグインを採用。『グラブル』キャラの髪・服・耳をかわいく揺らす

 

クリエイターのおかずこと岡田和也氏は11月13日、『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』(以下、GBVSR)にて同氏の手がけたUnreal Engine(UE) 4および5向けプラグインが使われていると伝えた。採用されたのは、“かわいい”揺れを表現する疑似物理演算プラグイン「Kawaii Physics」。


『GBVSR』は、Cygamesが手がける対戦格闘ゲーム『グランブルーファンタジー ヴァーサス』シリーズの新作だ。同シリーズでは、Cygamesのスマートフォン向けRPG『グランブルーファンタジー』のキャラたちが参戦。『GBVSR』では「格闘ゲーム入門の決定版」とのコンセプトを引き継ぎつつ、アルティメットアビリティなどの新システムが導入される。

そして本作には、パーティーゲームモード「ぐらぶるレジェンドばとるっ!」(以下、ぐらばとっ!)もオンライン専用モードとして登場する。同モードでは、デフォルメされた『グランブルーファンタジー』キャラたちを操作。低等身ながら、キャラクターにはコミカルなモーションが丁寧につけられている印象。スカートなどの衣服パーツや髪の毛がなびいたり、ケモミミがぴょこぴょこ揺れたりと可愛らしい動きが表現されている。

このモーションは、UE4および5向けの疑似物理演算プラグイン「Kawaii Physics」で実装されていると予想される。このプラグインは、髪の毛・スカート・ケモミミといったいわゆる「揺れモノ」の物理挙動を、「かんたんに」「かわいく」実装するために開発されたもの。ゲームキャラの動きにあわせて揺れるパーツは表現が難しく、妙な剛性のあるゴワゴワした印象となる場合も。自然な動きにするには、時には手作業による職人技のようなパラメータ調整が必要となる場合もある。そうしたパーツの表現を助けるのが「Kawaii Physics」なのだ。

同プラグインは、過去には『真・女神転生Ⅴ』に採用。長い髪の実装に役立てられたようで、主人公が流麗に揺れる髪の毛を見せていた(関連記事)。また、「Kawaii Physics」のGitHubページでは、岡田氏が把握している範囲で『SCARLET NEXUS』『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER』『Tower of Fantasy(幻塔)』『なつもん! 20世紀の夏休み』といった多彩かつ著名なプラグイン採用タイトルたちが紹介されている。その機能性が、『GBVSR』でも評価され採用されたかたちだろう。

「Kawaii Physics」を開発したのは、国内開発者の岡田和也(おかず)氏だ。同氏はカプコンを経て2016年にEpic Games Japanに入社し、サポートエンジニアとしてUE利用者のサポートをおこなってきた。X(旧Twitter)でのUE関連の情報発信や「Kawaii Physics」の開発など、個人での活動も精力的で、いわば“Epic Games Japanの顔”的存在でもあった。しかしながら、先月末にはレイオフの影響を示唆しつつ同社を退職した(関連記事)。

岡田氏はアクションゲーム『双腕のソルダート』制作に取り組む傍ら、現在もUEをはじめとする開発関連の情報発信にも熱心。「Kawaii Physics」の開発も継続されており、Epic Games Japanを去っても、同氏はUE採用作品や開発者たちを支えているかたちだ。

グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』は、PlayStation 4/PlayStation 5/PC(Steam)向けに12月14日発売予定だ。 第2回βテストが本日15時59分から開催中だ。




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