任天堂は11月9日、『マリオカート8 デラックス』のVer.3.0.0アップデートを配信した。同アップデートでは「コース追加パス」第6弾として8コースと4キャラクターが追加。またゲームのバランス調整として、アイテム取得に対する調整や、パーツごとの無敵時間などに調整がおこなわれた。
『マリオカート8 デラックス』では大型DLC「コース追加パス」によって6回に分け計48コースの実装やキャラの追加がなされてきた。また、コンテンツ追加のタイミングに合わせ同時にゲームバランスなどの調整がおこなわれてきた。過去のアップデートでは、カスタムにおけるパーツやキャラクターごとのステータスの調整などが実施。そのほかアイテムボックスが割られてから次に復活するまでの時間が短くなったり、グライダー中にサンダーを被弾しても落ちなくなる“落とサン”が廃止になったりなど、ゲームの仕様変更もいくつかおこなわれてきた(関連記事)。
今回配信されたVer.3.0.0アップデートでもさまざまな調整が実施。まず、停止や逆走をしてアイテムを取ったときに、強いアイテムを入手できなくなるなどの調整がおこなわれた。いわゆるアイテムの“停止割り”がテコ入れされたかたちだ。
停止割りとは、通常コースを走りながらアイテムを獲得するところを、一時停止や逆走をおこなうことによってアイテムボックスを複数回割り、強力なアイテムを入手する方法だ。この手法はショートカットの多いコースで特に有用で、スターやキラーといったアイテムによって一気に上位との距離を縮め、逆転の機会を作ることができるとされている。
また本作の競技シーンにおいては、チーム戦においてサンダーが試合を決定づけるアイテムとして重要な位置を占めている(関連記事)。そのため、下位のプレイヤーがアイテムボックスを何度も割ることでアイテムの厳選をおこなうこともあった。
さらにアイテムによる逆転が起きやすい「カラカラさばく」「チーズランド」などの“打開コース”と呼ばれるコースでもアイテムの厳選がおこなわれていた。先述の理由より、ショートカットが有用なコースでは強力なアイテムを所持していると逆転しやすい。そのため競技シーンでは多くの人がアイテムボックスの場所で停止し、複数回アイテムを獲得しようとするといった光景も見られた。
今回その手法がテコ入れされ、停止や逆走によるアイテムの入手および複数回同じアイテムボックスからアイテムを取得した場合、強いアイテムが入手できなくなった。筆者もCPU戦にて確認してみたところ、何度もアイテムボックスを割ると、12位にもかかわらず強力なアイテムが出なくなる傾向が見られた。それぞれ1個のバナナや緑こうら、キノコなどが出現し、スターやパワフルダッシュキノコなどのアイテムが取得できなくなっていた。
これまでの本作においては、レースゲームにも関わらず、戦略上全員がアイテムボックスの前で停止するような異様な光景も発生していた。今回の調整は、そうした状態を改善しようとする意図があるのかもしれない。
またこれまでは、アイテム厳選をおこなうことで全体的にゲームスピードがゆるやかになっていた。停止や逆走が以前より少なくなることで、ゲーム展開のテンポ向上も見込まれるだろう。いずれにせよ、Ver.3.0.0からはこれまでとは違ったレース戦略が求められそうだ。
『マリオカート8 デラックス』はNintendo Switch向けに配信中。有料追加コンテンツ「コース追加パス」は2500円で販売中だ。