Twitchは10月21日、「同時配信に関するガイドライン」を更新した。一定の条件のもと、あらゆるライブストリーミング配信プラットフォームで同時配信を認める内容となっている。
Twitchは現地時間10月22日までコンベンション「TwitchCon」を開催中。そのなかで「同時配信に関するガイドライン」が改訂され、あらゆるライブストリーミング配信プラットフォームで同時配信が認められることが発表された。英語版ガイドラインはさっそく改訂されている。なお新たなガイドラインはTwitchとの独占契約を結んでいない限りすべてのストリーマーに適用されるとのことで、配信を収益化しているユーザーも同時配信が可能になると見られる。
また改訂後のガイドラインには、同時配信における新たな取り決めも設けられている。まず同時配信においてTwitchユーザーが体験する品質が、ほかのプラットフォームやサービスでの体験に劣らないようにすることが第一に掲げられている。たとえば画面解像度をほかのプラットフォームよりも劣らせることは禁止。またチャットなどにおける、配信者とTwitchコミュニティとの関わり方もこの規定に含まれているそうだ。つまりほかのプラットフォームでのユーザーとの交流を優先してTwitchユーザーとの交流は二の次にする、といった状況はガイドラインに反するわけだろう。
さらにTwitchとほかのプラットフォームにおけるアクティビティを統合するようなサードパーティ製サービスを利用して視聴者に見せることも禁止されている。たとえば、Twitchと別のプラットフォームのチャット欄を統合するサービスを用いて視聴者に見せる行為は禁止対象となるようだ。ただし個人的に利用する分には自由とされており、あくまでそうしたサービスを視聴者に見える状態にすることが禁止される。
また配信者がTwitchとは違うサービスで視聴するようにリンクを貼ったりして誘導することも禁止とのこと。ただしチャンネルページの「About」欄に外部リンクを設けることは可能であり、放送中のチャット欄などで誘導した場合に違反行為とみなされるようだ。一連のガイドラインに違反した場合、Twitch運営からの警告の後、強制的な措置がとられると示されている。
Twitchでは今年6月、「ブランドコンテンツに関するガイドライン」や「同時配信に関するガイドライン」といったガイドラインの更新がおこなわれた。6月の更新以前には「同時配信に関するガイドライン」では、アフィリエイトプログラムに登録し、配信を収益化しているユーザーのみが、Twitch以外のライブ配信サイトとの同時配信を禁止されていた。一方で6月の更新後はほぼすべてのユーザーが同時配信禁止となった。
「ブランドコンテンツに関するガイドライン」については、厳しい制限・禁止事項が設けられたことから批判が殺到。そうした声を受けて同ガイドラインは改訂され、批判を受けたライブ配信画面内のスポンサー広告に関する制限・禁止事項が撤廃された(関連記事)。
一方で、ほぼすべてのユーザーが同時配信禁止となる「同時配信に関するガイドライン」の更新については据え置かれていた。今回のガイドライン更新により、同時配信の制限が一気に撤廃されるわけだ。同時配信を要望するTwitchユーザーも多かったと見られ、反響が寄せられている。なおモバイル版Twitchアプリでのストリーミング配信では、昨年のポリシー変更によりTikTokやInstagramといったほかのプラットフォームとの同時配信も認められていた。このたびPCでの同時配信も解禁されるかたちだ。
昨今ではTwitchと並んで人気を博すYouTubeライブに加え、新たな配信プラットフォームKickも台頭している。そうした中でおこなわれたTwitchでの同時配信の制限撤廃は、ユーザーにとって配信プラットフォームの選択肢が広がる嬉しい変化となりそうだ。なおTwitch側では同時配信が認められるようになったものの、外部プラットフォーム側で同時配信が認められていないケースも考えられる。同時配信を予定している場合は利用中のプラットフォームの利用規約などを確認しておくといいだろう。