“Bethesdaの顔”Pete Hines氏が退職。『Starfield』発売の節目に約24年間務めた同社を去る

 

Bethesda Softworksのシニア・バイスプレジデント兼パブリッシング責任者を務めるPete Hines氏は10月16日、同社を退職することを明かした。同氏は約24年間にわたって同社のPR・マーケティング部門を率いつつ、メディアなどで“Bethesdaの顔”を務めてきた人物だ。

Pete Hines氏は、Bethesda Softworksのシニア・バイスプレジデント兼パブリッシング責任者(head of publishing)を務めていた人物だ。同社がZeniMax Media傘下となった1999年に入社。以来、グローバルマーケティング・コミュニケーション部門のシニア・バイスプレジデントなどを歴任し、同社のPR・マーケティングを統括してきた。Bethesda Game Studiosにてディレクターやエグゼクティブプロデューサーを務めるTodd Howard氏と並んで、Bethesdaの顔ともいえる人物だ。

今回、Pete氏およびBethesda Softworksは、同氏が退職することを明かした。同氏によれば、この決断は容易ではなかったものの、『Starfield』のリリースに至るキャリアを経た今こそがスタジオを去るタイミングだと考えたそうだ。今後は自分の時間を増やして興味や情熱をもつ分野を探究し、人生の新たな章を歩み始めるという。またBethesdaやそのスタッフたちへの愛が揺らぐことは決してないとコメント。ファンへの感謝を述べつつ、これからもBethesdaが作り上げたコミュニティの一員でありつづけると綴っている。

Pete氏の表明とあわせて、Bethesda Softworks公式Xアカウントも同氏の退職を発表。声明によれば、Pete氏の「顔」としての役回りは、同氏が会社に果たしていた役割のほんの一部に過ぎなかったという。ファンから見えない部分でも、さまざまな職務を担当していたわけだろう。また同氏の貢献を、Bethesdaおよびその傘下スタジオを、世界レベルの組織に育て上げるのに不可欠なものであったと称賛。「寂しくなるよ、Pete!」と綴り、声明を締めくくっている。

ちなみにBethesda Softworks公式XアカウントはPete氏の投稿にも反応。同氏が『Starfield』発売時に配布して注目を集めた「偽診断書」の形式で、メッセージを送っている(関連記事)。ゲームを遊んだり、トレーディングカードを集めたり、子犬に愛情を注いだりと、Pete氏に退職後にゆったりと過ごしてほしいとの想いが伝えられている。

なおPete氏が言及した『Starfield』は、先月9月6日に発売されたタイトルだ。同作の開発は2016年より開始。当初2022年11月の発売が予定されていたものの、2023年前半へと延期。さらに時期が後ろ倒しになるかたちで、先月ついにリリースに至った。開発やブラッシュアップに約7年間が費やされたかたちだ。

『Starfield』に向けては今後もアップデートのほか、ストーリー拡張コンテンツ「Shattered Space」の配信も予定されている。同作のサポートが継続される傍らで、Bethesda Game Studiosでは新作『The Elder Scrolls VI』がプリプロダクションから開発段階に移行したことも明かされている(Vandal)。

つまり『The Elder Scrolls VI』はまだ開発初期段階。また同作は過去の『The Elder Scrolls』シリーズ同様大ボリュームの作品になると見られる。そのため『Starfield』の発売は、Bethesdaにとって次の大作開発に移行する節目ともいえるタイミングだろう。約24年間にわたってBethesda Softworksのマーケティングを率いたPete氏も、このタイミングでスタジオを去る決断に至ったようだ。

『Starfield』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに発売中。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。