パブリッシャーのHooded Horseは9月28日、ローグライト要素のある入植地管理シム『Against the Storm』の最新アップデートを配信した。不評だった流通システムの改修とバランス調整を中心に、UIの改善や必要コストの緩和なども行われた。本作はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)向けに早期アクセス配信中。
『Against the Storm』はローグライト要素のあるシティビルダー。舞台は止まない雨が降り続け、危険な森と隣り合わせの陰鬱な世界だ。スコーチ・クイーンなる女王に「総督」として任命され、荒野を開拓して入植地に作り替えてゆく。ランダムに得られる資源や強化を上手く選びつつ、異なる特性を持った人間・ビーバー・リザードなどの種族たちが共存共栄できる環境を整えて、名声を溜めなければならない。その一方で、スコーチ・クイーンの怒りを買ってしまうとゲームオーバーになるため、女王の不興を買うような行動は慎む必要がある。
今回のアップデートの目玉は流通システム(Hauler System)の改修だ。元々は前回の9月14日のアップデートで追加された新要素で、Hauler Stationという新たな施設の効果範囲内で資源を運搬することで、運搬効率を高めて建設や生産スピードを速めることができた。Hauler Stationは大小の二種類が存在し、土地を多く必要とする大Stationを利用して名声を溜めることで、新たな建物の青地図を得られるという要素もあった。
しかし、Hauler Systemはコミュニティの要望を受けて実装された新システムでありながら、ユーザーからの評判は芳しくなかった。開発陣はゲームプレイにルート開拓の要素を加える意図があったものの、新施設が想定していた以下の働きしかせず、報酬もあぶれがちな青地図だったと説明。今回のパッチノートにて、開発陣側から「ゲームに大きな影響を与えない“弱くて面白くない”要素だった」とまで言い切られてしまうほど、新施設は不遇な立ち位置になってしまっていた。
それを受け、今回のアップデートではHauler Stationは削除。代わりにアップグレードで解放できる流通用の労働者(Hauler)を、各倉庫に任命する形式に変更された。任命された労働者は25タイル以内の物資の流通を速めることができ、12タイルしか効果範囲がなかったHauler Stationの2倍以上の範囲だ。青地図の報酬もなくなり、あくまで倉庫の強化手段の一つとして再実装された。それにともない、流通に関するアップグレードやパークも新たに設けられ、システム周りをすっきりさせつつ流通を強化した際のパワーを全体的に底上げした形だ。
ほかの目立った変更点としては、全体的なコストの見直しやUIの改善が挙げられる。一部アップグレードやパークは発動に必要な資源や行動回数の減少、発動時の報酬が増えるなど、使いやすくなる調整が加えられた。特殊な資源がもらえるCitadelの強化用コストや、一部建物の建造コストも減少。また、倉庫のUIが改善されてアイテム消費の下限設定が可能になった。指定した資源が一定量以下になると、それらを消費する生産を自動的に止めることができるように。前述のコストの見直しと合わせて、資源不足に陥る可能性が減ったのは嬉しい部分だ。変更点は多岐にわたるため、詳細は公式パッチノート(英語)を確認してほしい。
『Against the Storm』は2022年11月に早期アクセス開始。4か月後には売り上げ30万本を達成するなど、高い評価を得ている作品だ(関連記事)。現在も二週間に一回のペースで積極的にアップデートを繰り返しており、今回のアップデートもスケジュール通り。さらに、2023年に入ってからは大型アップデートも増え、4月には新種族フォックス、6月にはワールドマップの拡大と特殊イベント、8月には新たなバイオームと、定期的に新要素が実装されている(関連記事)。今後の動向にも注目だ。
『Against the Storm』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)向けに早期アクセス配信中。