『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』がSteamにて一時販売停止……からの再開。一部ユーザーが “リメイクあるかも”と憶測するも開発元は「不具合」ときっぱり
『アサシン クリード4 ブラック フラッグ(Assassin’s Creed IV: Black Flag)』がSteamにて一時販売停止となっていた。このことが一部ユーザーにより“リメイク版”が開発されている兆しではないかといった憶測を呼んでいた。一方でUbisoft側は販売停止の理由を「技術的な問題」であると説明し、問題が解決したからか現在は販売が再開されている。
『アサシン クリード4』は、Ubisoft Montréal が手がけ、2013年発売に発売されたオープンワールドアクションゲーム。本作でプレイヤーが追体験することになるのは、エドワード・ケンウェイの半生だ。あるときエドワードは、テンプル騎士団が追い求める「観測所」なる存在を知り、人生が一変。海賊船の船長、そしてアサシンとして波乱の旅路を繰り広げる。PS3/Xbox 360/Wii U向けに発売され、PC/PS4/Xbox One/Nintendo Switch向けにも展開。2014年時点で累計出荷本数が1100万本を突破している人気作品だ。
本作PC版はSteam/Ubisoft Store向けに販売されていたものの、先日より本作Steam版が購入できなくなったことが報告されていた。突然の販売停止を受けて一部ユーザーからは、本作のリメイク版が開発されている兆しではないか、といった憶測も生じていた。そうした憶測をもとにして、オリジナル版の販売を取りやめてリメイク版の需要を高めようとしている、といった論調も見られた。
一方で、少なくとも販売停止は“リメイク”と無関係だったようだ。海外メディアEurogamerに対し、Ubisoftの広報担当者が明かしている。広報担当者によると、本作Steam版の販売停止は“技術的な問題(technical issue)”による一時的なものであったという。実際、本稿執筆時点ではSteamストアページにて本作が購入可能になっており、技術的な問題は解決されたと見られる。
ではなぜユーザーらは、本作の販売の一時停止を、発表すらされていない本作のリメイク版と結び付けたのか。背景には今年6月にKotakuなどがおこなった海外メディア報道があるかもしれない。同誌が匿名の情報筋2名による証言として伝えたところによると、Ubisoftでは「2013年にPS3/Xbox 360向けに発売され、次世代機向けにも展開された作品」のリメイク作が開発中とのこと。その作品の主要な開発はUbisoft Singaporeが担当し、少なくとも完成まで数年かかる開発初期段階にあるという。同誌はこれを『アサシン クリード4』であると推定していた。
Ubisoft Singaporeといえば、現在オープンワールド海賊ゲーム『スカル アンド ボーンズ』の開発を担当しているスタジオだ。同作はこれまで6度もの発売延期を経ており、開発が難航したまま現時点で発売時期は未定となっている。一方で先月8月にはクローズドベータテストが実施され、先日には開発を率いていたクリエイティブディレクターのElisabeth Pellen氏が“役目を果たして”退任したことが報じられていた(関連記事)。
そうした状況を見るに、紆余曲折を経た同作の開発が最終段階にある可能性もある。Ubisoft Singaporeは『アサシン クリード4』の開発にも携わっただけでなく、類似のジャンルである海賊と海戦をテーマにした『スカル アンド ボーンズ』を開発している。次なるプロジェクトとしてスタジオが『アサシン クリード4』のリメイクを担当するとしても不思議ではないだろう。
なお、Ubisoft側は『アサシン クリード4』リメイク版の開発元どころか、そもそもリメイクされる可能性さえこれまでに明かしていない点には留意したい。いずれにせよ、少なくとも『アサシン クリード4』Steam版の一時販売停止は、リメイク版の存在とは関係ないと見られる。リメイクと無関係の出来事が結びつけられるのも、リメイクを望む声の多い人気作ゆえかもしれない。
『アサシン クリード4 ブラック フラッグ(Assassin’s Creed IV: Black Flag)』はPC(Steam/Ubisoft Store)およびPS4/Xbox One/Nintendo Switchなどに向けて発売中だ。