『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』(以下、S.T.A.L.K.E.R. 2)開発元GSC Game Worldが、現地時間9月7日に火災の被害に遭っていたことがわかった。チェコ現地メディアVortexなどが伝えている。
『S.T.A.L.K.E.R. 2』は、サバイバル・ホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの最新作だ。主な舞台となるのは、チョルノービリ(チェルノブイリ)およびその周辺の立入禁止区域「ゾーン(The Zone)」だ。プレイヤーはストーカー(S.T.A.L.K.E.R.)と呼ばれる、一攫千金を狙う者たちのひとりとなって、貴重なアーティファクトなどを求め危険地帯に飛び込んでいく。プレイヤーは凶暴なミュータントや“アノーマリー”と呼ばれる存在などのほか、武装した派閥間の争いも切り抜けつつ、広大なオープンワールドを探索していくのだ。
そして今回、本作を手がけるGSC Game Worldのチェコ・プラハにおける拠点が火災の被害に遭っていたことが明らかになった。同スタジオは、もともとウクライナを拠点としており、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けてチェコに拠点を移動。一時は『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発も休止とされていたものの、後に撤回され引き続き開発が進められている。
火災についてはまず現地メディアVortexが報道。続いて本作公式Discordサーバーにて同社スタッフが声明を出し、事実関係を認めたかたちとなる。同声明によれば、出火元は同社オフィス内だったという。火は無事に消し止められたものの、フロアのひとつは全体的な復旧作業が必要になる状態とのこと。火災の詳細については、引き続き調査中とのことだ。
また、同声明ではユーザーたちの安否を気遣う声に感謝を示しつつ、「Burner(火柱を立てるアノーマリー)でも私達を止めることはできない」と表現。もっと悪い事態にも対処してきたとし、問題ない(This is fine)と表明している。
前述の通り、GSC Game Worldはロシアによるウクライナ侵攻の影響を受け、チェコに拠点を移動していた。さらには、ロシア拠点とされるグループの犯行により、本作のゲームデータを盗むサイバー攻撃や、そうしたデータを盾にとった脅迫行為が報告されていた(関連記事)。今回のスタッフによる声明は、そうした難局を切り抜けてきたことを踏まえた内容だろう。
『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』は、PC(Steam/GOG.com/Epic Gamesストア)/Xbox Series X|S向けに2024年第1四半期に発売予定だ。Xbox Game Pass向けにも提供される。