ガイドライン違反のゲームプレイ動画などのYouTube投稿者に懲役2年(執行猶予5年)の有罪判決。ゲーム動画配信初の有罪判決に

仙台地方裁判所は9月7日、吉田忍被告53歳に対して有罪判決を下したようだ。同被告は2023年5月頃に、ゲームのプレイ動画などの動画を権利者の許可なく公開していたため、著作権法違反の疑いで摘発されていた。

仙台地方裁判所は9月7日、吉田忍被告53歳に対して有罪判決を下したようだ。同被告は2023年5月頃に、ゲームのプレイ動画やアニメを編集した動画を権利者の許可なく公開していたため、著作権法違反の疑いで摘発されていた。朝日新聞デジタルの報道によると、同被告には懲役2年、執行猶予5年、罰金100万円の有罪判決が言い渡されたそうだ。
【UPDATE 2023/9/7 23:35】
執行猶予付きであることを、見出しに記載

『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』


5月18日付けの一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)の発表やkhb東日本放送の報道によると、吉田忍被告はYouTubeを通してゲームプレイ動画やアニメを、権利者に無断でアップロードしていた疑いで逮捕されていた。具体的には、ガイドラインにて禁止されたゲーム『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』のエンディングを含む1時間程度のプレイ動画をアップロードし、広告収益を獲得。アニメ版「STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)」やアニメ版「SPY×FAMILY」に字幕やナレーションを付けた、いわゆるファストコンテンツ風の動画もアップロードしていたという。同被告はYouTubeでのそうした動画の公開により、著作権法違反の疑いで摘発されていた。なおゲームのプレイ動画の利用については、原則的には権利者の許諾を得る必要があり、無許諾でのアップロードは著作権侵害行為とみなされている。CODAの発表内によると、同被告によるゲームのプレイ動画は極めて悪質な事例であったため、摘発となったそうだ。

今回の報道では、そんな同被告に対する判決が下された。朝日新聞デジタルの報道によると、検察側は被告の行いを、商品購入意欲を減退させ、コンテンツ制作の労力を踏みにじる行為だと主張。一方で弁護側は被告の行為だけが特に悪質とはいえないなどとして、執行猶予付きの判決が求められていたようだ。結果として仙台地方裁判所は吉田忍被告に対し、懲役2年、執行猶予5年、罰金100万円(求刑懲役2年、罰金100万円)の有罪判決を言い渡したという。同紙はゲーム動画の配信を巡る著作権法違反の有罪判決は初の事例だと伝えている。

【UPDATE 2023/9/7 17:39】
本文内容を一部追記し、記事の見出しを変更





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Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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