『アーマード・コア6』のバルテウスが強すぎとして国内外で悲鳴があがる。無慈悲な攻撃の応酬で傭兵を苦しめる序盤の門番

『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コア6)』の序盤においてプレイヤーが挑むとあるボスについて、SNS上で多数の悲鳴があがっているようだ。その名はバルテウス。

フロム・ソフトウェアは8月25日、『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コア6)』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S。本作の序盤においてプレイヤーが挑むとあるボスについて、SNS上で多数の悲鳴があがっているようだ。以下、本稿では本作のストーリー序盤(Chapter1)の内容に言及しているほか、ゲーム内スクリーンショットを掲載しているので留意されたい。


『アーマード・コア6』は、メカカスタマイズアクションゲーム『アーマード・コア』シリーズの最新作だ。舞台となるのは辺境の開発惑星ルビコン。この地ではかつて、謎の新物質コーラルが発見され、エネルギー資源として期待された。しかしコーラルは周辺星系をも巻き込む大災害「アイビスの火」を引き起こすことに。以来その宙域は厳重な監視下におかれ、封鎖惑星となったルビコンでは大災害を生き延びた人々がか細い生を繋いでいた。プレイヤーは強化人間「C4-621」として、戦闘メカ「アーマード・コア」に乗り、戦いに身を投じていくことになる。

本作は8月25日のリリース後、本稿執筆時点のSteam上で15万人を超える最大同時接続者数を記録。歴代のフロム・ソフトウェア人気作品内でも、約95万人の同時接続者数を集めた『ELDEN RING(エルデンリング)』に次ぐ人気タイトルとなっている(関連記事)(SteamDB)。

今回SNS上で話題となっているボスは「特務無人兵器バルテウス」だ。本作のストーリー上、Chapter1の終幕にて登場するボスだ。国内X(旧Twitter)で寄せられている反響の多くは、バルテウス戦でリトライを繰り返した報告や所要時間、あるいはその撃破報告だ。苦戦を強いられたとする投稿が多数寄せられたためか、同ボスの攻略方法を共有する投稿者も多数見受けられる。この週末には「バルテウス」のワードでたびたびX上でトレンド入りをはたしていた。

本作チュートリアルミッションにて登場した大型武装ヘリは“最初の関門”として話題になったものの(関連記事)、それを乗り越えた先で待ち構えていたバルテウスもまた、注目を集めるかたちとなった。これは、バルテウスが「ゲーム内最初のチャプターで対面するボス」としては、あまりに容赦のない攻撃力/防御力を持ち、多くのプレイヤーを撃墜したためだろう。本稿執筆時点での同ボスの撃破率は、PSN上のトロフィー取得率にして38%、Steam上のグローバルプレイデータにおいても51%と辛うじて過半数を超える程度。バルテウスが登場するのがゲーム内最初のチャプターであることを踏まえると、なかなかに低い割合となっている。海外掲示板Redditでも、この週末はバルテウスへの感想が多大に寄せられており、海外でも同ボスに苦しんでいる人が多いことがわかる。

特務無人兵器とされるバルテウスは、プレイヤーの操る機体と比較してかなり大型の武装を全身にまとっている。戦闘開始直後から、追尾ミサイルを全方位に一斉発射するなど、視覚的なインパクトが大きいボスだ。また、アラート音と共に撃ち込まれるグレネードや、耐久値が一定量を下回ったのち繰り出される火炎による広範囲攻撃は、ダメージ量のインパクトも大きい。これらの攻撃は連鎖的に展開され、どれも一瞬の油断で大量のAP(耐久値)を削り取られてしまうため、「このAP状況ならまだ戦える」と思っていたところを、瞬く間に撃破されてしまったプレイヤーは少なくないだろう。筆者もその一人である。


また、バルテウスがまとっている「パルスアーマー」の性質も、プレイヤーの頭を悩ませる要因の一つだろう。パルスアーマーには、一定量のダメージを無効化する効果がある。したがってプレイヤーは、まずパルスアーマーを破壊しなければ、ボス本体にダメージを与えられない仕組みとなっている。さらに厄介なことに、このアーマーは一度消滅させても一定時間後には復活する。このため度々状況が振り出し(パルスアーマーを破壊する工程)へと戻されてしまうのだ。プレイヤーがどうにかパルスアーマーを撃ち破り、必死に本体へと攻撃を叩きこむ傍らでは、隙あらば前述した無数のミサイルが襲い掛かってくる。つまり、防御面が分厚く、かつ攻撃が熾烈ということで、歴戦の傭兵たちも手を焼いているわけだ。

こうしたバルテウスの強さに対する反響の中には、フロム・ソフトウェアがこれまでに手がけた各作品において、“最初の壁”としてプレイヤーの前に立ちはだかったボス達を思い起こすような投稿も見受けられた。本作において話題となった“ルビコプター”や、それを超えた先で現れたバルテウスも、いずれ同様の文脈で語られる日が来るのかもしれない。


実際のところ、この「バルテウス」にどう対処すべきか。その対策は三者三様、X(旧Twitter)上で「バルテウス」の単語を検索すると、プレイヤー毎の多彩な攻略法が確認できる。パルスアーマーを削るためにパルスガンを採用するもの。両腕にショットガンを採用し、ゴリ押しするもの。あるいはタンクタンクの特性(高耐久/高火力なアセンブル)を活かして真正面から撃ち合うものまで。それぞれの攻略法に共通しているのは、パルスアーマーへの対策、および敵スタッガー状態の発動を狙った“短期決戦向け”のアセンブルという点だろう。

パルスアーマーを破壊された際のバルテウスは、プレイヤー同様に一時的な機体制御不能、および被弾した際のダメージすべてに「直撃補正」パラメータが適用される「スタッガー」状態となる。これを念頭に、パルスアーマー破壊に適したパルスガンで対策をおこなうと、バルテウス本体へダメージを与えられる機会が増えるほか、本来は厄介なパルスアーマー再展開時の負担が軽減される。パルスガンを前にしたパルスアーマーは「負荷を蓄積させ易いACSゲージ」同然となるため、再発動の度に比較的容易にスタッガー状態を発動≒大ダメージを与えるチャンスが生み出せるというわけだ。


また、一度スタッガー状態から回復したバルテウスに対し、衝撃力(ACSダメージ)の高いショットガンやパルスブレードでの攻撃を畳み掛ける方法も、パルスアーマーへの間接的な対策となる。これは、ACSダメージの蓄積によってスタッガー状態を発動させることが可能となるためだ。一度パルスアーマーを破壊したのち繰り返しスタッガー状態にすることが出来れば、再展開までの時間により多くのダメージを叩き込むことが出来る。結果として、パルスアーマーが再展開される回数そのものを減らすことが可能となるだろう。しかしながら、短期決戦を狙っていずれの攻撃手段を用いるにしても、前述の追尾ミサイル・グレネード・火炎による広範囲攻撃は、まともに被弾すれば致命傷となり、依然としてプレイヤーにとって脅威のままだ。

これに対する回答の一つとして、タンクの特性を活かした高耐久/高火力アセンブル、いわゆる「倒される前に倒し切る」戦闘スタイルが挙げられているのだろう。本稿執筆にあたって全身重量ACパーツに、両肩にはレーザーキャノンを搭載した“ガチガチ”のタンクアセンブルにて、実際にバルテウス戦へ赴き検証をおこなった。結果、初回撃破時に使用していた軽量逆関節のアセンブルに比べ、格段にスムーズな撃破が可能だという印象を強く受けた。AP/ACSに余裕がある上に、本来は構えアクションが強制される高火力武装も遠慮なく多用でき、攻撃に全力を注げるためかと思われる。「バルテウス戦から先にどうしても進めない」というプレイヤーには、ぜひ一度このアセンブルを試してもらいたい。

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コア6)』は、PC(Steam)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。





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Toru Ishikawa
Toru Ishikawa

雑食ゲーマー、好きな言葉は「Random loot」と「Permadeath」です。

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