『ファイナルファンタジーXVI』(以下、FF16)にて主人公の英語声優を務めたBen Starr氏が8月24日、オーディションと称して「マリオ」を演じる(?)投稿をおこない、話題を呼んでいる。やたらと色気のある低い声で、マリオのキャラクター性を度外視して自己流マリオを演じる動画はユーザーたちの笑いを誘ったようだ。
『スーパーマリオブラザーズ』シリーズでは、『スーパーマリオ64』以降の多くの作品でCharles Martinet氏がマリオをはじめ複数のキャラを演じてきた。Martinet氏が演じたのは、ルイージやワリオ、ワルイージ、ベビィマリオやベビィルイージなど多岐にわたり、「単一キャラクターとして100作のゲームに出演したギネス世界記録」に認定されるほどである。
しかし先日、任天堂公式X(旧Twitter)アカウントは、Martinet氏が新たにマリオの親善大使に就任し、今後マリオらの声優を務めることがなくなると明かした。つまり同氏はシリーズ作品での声優を引退する運びとなるのだろう。代わりに同氏はマリオの親善大使として、これからもファンとの交流を続けていくという。
このポストを引用するかたちでBen Starr氏が反応。同氏は『FF16』にて主人公クライヴ・ロズフィールドの英語版声優を担当した人物だ。同氏はマリオを演じるための公式オーディションと称して、動画を投稿。マリオの代表的なセリフ「It’s-a me, Mario!」を手を替え品を替え読み上げている。ただしMartinet氏の演技に“寄せる”気はまったくない様子。色気のある低い声でStarr氏流にマリオを演じ続けている。
途中からはマリオが到底発言しないであろう荒々しい言葉も連発。「何見てんだこの野郎、俺はマリオだぞ」「くそ野郎、俺はマリオだ」といった下品な言葉を交えた演技が展開されている。もはや何を演じているのかよく分からないが、どれもやたらと良い声である。ちなみに下記動画では、Starr氏が演じた英語版クライヴのセリフを確認可能。上記“オーディション”における声色はマリオというよりクライヴ寄りといえそうだ。
Starr氏の冗談めいたオーディション動画は本稿執筆時点で約8600シェア・4万1000いいねが寄せられ注目を集めており、海外メディアKotakuなどが報じるに至っている。ユーザーらは大いに笑いを誘われたようで、ノリノリで同氏の“次期マリオ役”挑戦を応援したり、『FF16』の動画のクライヴのセリフに「It’s-a me, Mario!」の音声を当てはめたりして楽しんでいる様子だ。
その後Starr氏はマリオ役オーディションの続報(?)を投稿。任天堂から連絡があり、次期マリオは自分に決まった、との旨を述べている。あわせて同氏は、クライヴと同じく頬に入れ墨が入ったマリオの画像を投稿。マリオは今にもイフリートに顕現しそうな勇ましい表情だ。なおこちらは非公式に作られた画像と見られ、同氏が次期マリオ役に抜擢されたという投稿もひとまずジョークと捉えておいた方がよいだろう。むしろ、同氏の“オーディション動画”は、マリオの演技と称して下品な言葉を連発した点を注意されかねない内容といえる。
ちなみに『スーパーマリオ』シリーズ最新作『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』では、Martinet氏の引退に際して新たな声優がマリオを演じることが伝えられている(関連記事)。6月の同作発表時のトレイラーでは新声優が演じているとみられるマリオの声も確認可能。なお任天堂は新たなマリオの声優についてはゲームのクレジットにてお披露目となることを伝えており、「発売日までお待ちください」とのことである。新たな声優がStarr氏という可能性は低そうだが、いずれにせよ新声優を確認するには発売後のクレジットを待つことになるかもしれない。
『ファイナルファンタジーXVI』はPS5向けに発売中。『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』はNintendo Switch向けに10月20日発売予定だ。