『ディアブロ4』開発者プレイが“下手すぎる”としてコミュニティに波紋。でも多分問題はそこだけじゃない

 

Blizzard Entertainmentは8月12日、開発者が『ディアブロ4』をプレイしつつ語る動画「Adventure with a Dev」をYouTubeにて公開。同動画の中で披露された開発者プレイが“下手すぎる”として波紋を広げている。


『ディアブロ4』は、人気ハクスラARPGシリーズ『ディアブロ』の最新作だ。本作の舞台は前作『ディアブロ III』から数十年後となる。グラフィックを大幅にパワーアップし、マップをオープンなフィールドとして多数ダンジョンなどを実装。過去作の魅力を踏襲しつつ、豊富なキャラクターカスタマイズや、さまざまなゲームプレイ要素を盛り込んで新たな冒険が描かれる。

本作では、しばしば開発陣がYouTube動画などを通じて情報発信を実施している。本作運営を振り返ったり、今後の展望を伝える「Campfire Chat」などもそのひとつだ。そして8月12日には、本作のダンジョンデザイナー陣が本作をプレイしつつ、いかにしてダンジョンが作られているかについて語る動画「Adventure with a Dev | Belfry Zakara」が公開された。しかし同動画は興味深い内容ながら、多くのユーザーにより批判の声が寄せられることとなった。そうしたユーザーたちによれば、“開発陣のゲームプレイが下手すぎる”というのだ。

同プレイ動画では、本作シニアダンジョンデザイナーのDini McMurry氏と、アソシエイトダンジョンデザイナーのJosey Meyer氏が登場。それぞれバーバリアンとローグを使い、「鐘楼のザカラ」を攻略している。手元の様子から見て、McMurry氏がバーバリアンを、Meyer氏がローグを操作しているようだ。そして実際のプレイはというと、たしかにぎこちない印象だ。

本作ではいずれのキャラやビルドでも、構成スキルを常に“回転”させるようなゲームプレイが基本だろう。しかし、McMurry氏のスキル回しはやや停滞気味で、Meyer氏についてはコントローラーのAボタンをひたすら連打しているような場面が目立つ。少なくとも操作しているキャラビルドに慣れておらず、下手な部類のプレイには見えるだろう。


動画公開後には、こうした開発者ゲームプレイの様子に対して、憤慨するプレイヤーらが批判のYouTubeコメントを投じていたようだ(現在はコメント欄停止済)。また、Redditの本作コミュニティなどでも「なぜこんな動画が公開許可されたんだ」といったスレッドが立てられ、多くのユーザーが意見を投じている。

投じられた意見のなかでは、「開発者がゲームプレイに慣れていないことが、作品のクオリティに悪影響を与えている」といった論調が見られる。ただ、今回の開発者両名が、高いレベルでゲームに熟達している必要があるポジションかは不明。「たまたま慣れていないビルドだった」「会話しながら上の空でプレイしていた」といった可能性も考慮したいところだ。

一方で、「プレイが下手に見える動画を公開すれば批判を受けるのは目に見えていた」として、動画の内容や公開の判断自体を問題視する者も多いようだ。そうしたユーザーコメントとしては「開発者2名が矢面に立たされた」とする同情的なものもあり、多数のUpvoteが寄せられている。全体として見ると、Blizzardのコミュニティとの関わり方自体に疑問を投じる論調が色濃い。


『ディアブロ4』は6月のリリース前後から、波乱のある経緯を辿っている。たとえばシーズン1開幕直前のアップデートでは広範なキャラ弱体化が実施され、コミュニティから不満の声があがった。そして、後にBlizzard側が同アップデートについて「悪いやり方だった」と表明する、同メーカーとしてかなり異例の出来事もあった(関連記事)。後にBlizzard側はキャラ強化中心のアップデートを打ち出すなど、コミュニティの意見に歩み寄る方針も見せている。

しかしながら、調整方針以外にもさまざまな要因によって『ディアブロ4』に複雑な思いをもっているプレイヤーは多い状況だ。今回開発者ふたりの“下手なプレイ”が大きな波紋を広げたのも、Blizzardの動向に敏感になっているコミュニティの状況が下地となったと見られる。今後の動向にも、引き続きプレイヤーたちの視線が注がれるだろう。

ディアブロ4』は、PC(Battle.net)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。