“『マインクラフト』で地球を縮小再現する計画”が完成報告。凝縮された各国に、地域性色濃いモニュメント詰め込む

『マインクラフト』にて4000分の1スケールで地球を再現し、モニュメントで埋めつくすチャレンジが完成したと報告されている。「New Earth」と題されたこのプロジェクトは数百人のプレイヤーが約3年かけて作り上げたという。

『マインクラフト(以下、マイクラ)』にて4000分の1スケールで地球を再現し、モニュメントで埋めつくすチャレンジが完成したと報告されている。「New Earth」と題されたこのプロジェクトは数百人のプレイヤーが約3年かけて作り上げたという。完成したマップは、Dynmapにて観覧することが可能。RTGame Daniel氏がX(旧Twitter)で報告している。


計画を主導したのは、コンテンツクリエイター・ストリーマーのRTGame氏だ。同氏の公式Wikiの記載によると、New Earthプロジェクトは2020年7月26日に始まった。地形や海岸線を可能な限り正確に再現した4000分の1スケールの地球マップを用意し、そこを建設物で埋めつくすという企画だ。RTGame氏の呼びかけで数百人のプレイヤーが集まり、同氏の母国アイルランドから建設が始められた。企画にあたっては、地形を変えすぎない、政治的主張はしない、他の人の建設物は尊重する、などいくつかのルールが定められ、建設の過程はYouTubeやTwitchにて配信された。

*RTGame氏が公開したNew Earthの“世界地図”

アイルランドから始まった建設はまずヨーロッパを中心に進められ、その後アフリカやアメリカ大陸、そしてアジア諸国などほかの地域に広げられていったようだ。スカンジナビア半島建設中には、企画中最多となる431人の同時接続プレイヤー数を記録。単一の国としてもっとも建設に時間がかかったのは、世界最大の面積を誇るロシアだったようだ。一度の配信では作りきることができず、ロシアだけで完成までに5回の配信をおこなうことになったという。期間としては約1か月半を要したそうだ。広大なロシアの建設を進める上で、さまざまなノウハウが確立されていったとのこと。規模の大きなモニュメントを建設する際に、担当を割り振って協力して進めるBuild group制が導入されたり、建設資材を効率よく運ぶために輸送用道路が作られたりしたそうだ。こうした方法論は企画全体を通して役に立ったという。

こうして造られたNew Earthは、Webブラウザから『マイクラ』のマップを閲覧できるDynmapにて観ることができる。見渡してみると、正確に再現されている世界地図に、ところ狭しとモニュメントが敷き詰められている。スウェーデンにSCP-3008と表示されたIKEAの店舗があったり、エジプトに猫の神バステトの像が立っていたり、北海道のあたりに青い初音ミクがいたりと、地域性を意識した建築がなされているようだ。一方で、大西洋に海中都市が存在したり、太平洋に空中都市が存在したり、北極に謎の巨大タワーが存在したりと、遊び心も感じさせる作りになっている。

RTGame氏は“ミニ地球”の完成を祝い、南米大陸の西に、New Earthの首都となるというNew John Cityを建設。計画に携わった300人のプレイヤーにそれぞれ一区画を贈呈し、思い思いの建築をしてもらったという。8月5日に同氏がYouTubeにアップした動画では、New Earth Project最後の建設であるとしてNew John Cityを紹介。動画の最後には「これで終わりと口にするのは変な気持ちだ(It’s a very weird feeling to say that we have reached the end)」と感想を述べつつ、企画に参加したすべての人に感謝の意を表明している。なおNew Earthのサーバーは一般公開はされておらず、参加するにはTwitchのRTGame氏のチャンネルにて参加希望を申請し、プロジェクトのDiscordサーバーへ招待される必要があるとのこと。


『マイクラ』にて現実の地球を再現するプロジェクトは、1:1スケールでの地球の完全再現を掲げた「Build The Earth」が存在している(関連記事)。街並みの完全な再現まで含めた野心的なプロジェクトで、公式サイトによると現在7105平方キロメートルの範囲を、多数のビルダーが分割担当して建設が進められているという。ヨーロッパを中心にかなりの規模で建設がおこなわれているようだが、地球の陸地の面積はおよそ1億5000万平方キロメートル。完成には時間を要しそうだ。日本においては、大阪の一部をモデルとした架空都市「味噌汁市 Misosiru City」制作プロジェクトなどが存在(関連記事)。『マイクラ』にて現実世界の風景を再現しようという企画は、国内外にいくつか見受けられる。

上述のようなプロジェクトに比べれば、今回完成したNew Earthは、現実の地球の4000分の1という縮小スケールであり、街並みの完全再現などは目指していなかったといった方向性の違いはあるだろう。しかし数百人のプレイヤーが3年かけて建設を続け、世界地図を再現したマップにモニュメントを敷き詰めたのは、ひとつの壮大な企画の完遂といえる。眺めるだけで時間が溶けそうなNew Earth。Dynmapで隅々まで見渡して、詰め込まれたネタを探してみてはいかがだろうか。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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