『CoD: MW II』Steamストアページが突然“新設”され大混乱。低評価ロンダリング疑惑飛び交い「圧倒的に不評」が寄せられる

Activisionは8月3日、『Call of Duty』シリーズPC版の総合アプリ「Call of Duty HQ」を配信開始した。Steamではそのストアページがなぜか『CoD: MW II』のストアページに置き換わるかたちで用意。大きな混乱を招いている。

Activisionは8月3日、『Call of Duty』シリーズPC(Steam/Battle.net)版の総合アプリ「Call of Duty HQ」(以下、『CoD』総合アプリ)を配信開始した。現時点では『Call of Duty: Modern Warfare II』(以下、CoD: MW II)および『Call of Duty: Warzone 2.0』(以下、CoD: Warzone 2.0)を起動するためのアプリになるという。

なおSteam版『CoD』総合アプリのストアページは、なぜか『CoD: MW II』のストアページに置き換わるかたちで用意。そして『CoD: MW II』については、新たなストアページが開設された。このことで一部ユーザーは「低評価も多く寄せられていた『CoD: MW II』のストアページをなかったことにする狙いがあるのではないか」と憶測。『CoD: MW II』の新ストアページには、そうした考えをもとにしたと見られる批判が寄せられている状況にある。一連の状況をX(旧:Twitter)ユーザーのポル之助氏が伝えている


『CoD: MW II』は、2019年発売のリブート版『Call of Duty: Modern Warfare』の続編だ。対応プラットフォームはPC(Steam/Battle.net)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S。主な開発は、前作に引き続きInfinity Wardが担当する。開発においては新たなゲームエンジンIW 9.0が導入され、ビジュアルをはじめとしたクオリティが向上している。

一方『CoD: Warzone 2.0』は、基本プレイ無料のバトルロイヤルFPSだ。広大なマップを舞台に、最大150人の戦闘が繰り広げられる。ゲームエンジンは『CoD: MWII』と同じくIW 9.0 で開発されている。

なお『Call of Duty』(以下、CoD)シリーズのPC版は、2017年発売の『Call of Duty: WWII』以来、Battle.netでの独占配信となっていた。しかし『CoD: MW II』および『CoD: MWII』ではBattle.netでの独占が取りやめとなったと見られ、発売日からSteam向けにも配信されている(関連記事)。


このたび『CoD: MW II』と『CoD: Warzone 2.0』の両方を起動できる総合アプリ『Call of Duty』がBattle.net/Steam向けにリリースされた。これに伴って、『CoD: MW II』のSteamストアページが『CoD』総合アプリのストアページへと刷新された。SteamDBを見ると、協定世界時8月2日17時ごろにストアページ名が「Call of Duty」になるといった変更がおこなわれたことがわかる。

また本作の公式ニュースページでは、『CoD』総合アプリによって『CoD』シリーズをSteam上の同一の場所からプレイできるようにすると告知されている。なお『CoD』総合アプリが対応する『CoD』シリーズ作品は、現時点では『CoD: MW II』と『CoD: Warzone 2.0』の2作品のようだ。『Call of Duty: Vanguard』などは引き続きライブラリ内から個別にアクセスする必要がある旨が伝えられている。

また『CoD: MW II』のストアページが『CoD』総合アプリのものに刷新されたことで、新たな『CoD: MW II』のストアページも開設されている。そして、こちらには本稿執筆時点で早くも540件以上のSteamユーザーレビューが寄せられ、好評率わずか13%の「圧倒的に不評」ステータス。レビューの大半はゲーム内容に関するものではなく、ある憶測に基づく批判から不評が投じられているようだ。「新たに『CoD: MW II』のストアページを開設したのは、旧『CoD: MW II』ストアページに寄せられた不評をなかったことにするためではないか」といった憶測だ。


『CoD: MW II』のストアページは『CoD』総合アプリとして刷新されたものの、Steamユーザーレビューは据え置き。『CoD: MW II』に向けたレビューが大半となる23万件以上が寄せられており、うち好評率が57%のステータス「賛否両論」となっている。数字の上では過半数の好評を獲得しているものの、Steamにおける「賛否両論」ステータスは比較的低めの評価ステータスといえる。この評価ステータスを払しょくするために心機一転新たなストアページを開設したのではないか、と一部ユーザーは考えているようだ。

しかしながら、そうした見解は憶測の域を出ず、『CoD: MW II』のストアページが『CoD』総合アプリとして刷新された真意は不明。ちなみに『CoD: MW II』と『CoD: Warzone 2.0』はそれぞれ独立した作品ながら、以前はSteamのライブラリ上で「Call of Duty: Modern Warfare II | Warzone 2.0」としてまとめて表示されていた。もともと複数作品をまとめて起動できるプラットフォームとして『CoD: MW II』のアプリが用意され、それが流用されるかたちで『CoD』総合アプリに刷新された可能性はありそうだ。結果としてSteamストアページも『CoD: MW II』のものが流用されているのかもしれない。

また、そもそも総合アプリの「Call of Duty HQ」との名称は『CoD: MW II』リリース時から確認されていた(Charlie INTEL)。総合アプリへの移行は同作に評価が寄せられる前からの既定路線だったとも考えられるだろう。


いずれにせよ、現時点で『CoD: MW II』の新ストアページは「圧倒的に不評」のSteamユーザーレビューステータスとなっている。ちなみに「圧倒的に不評」ステータスとなったのは、Steamにてリリースされた『CoD』シリーズ史上初の出来事となった。

なお『CoD: Warzone 2.0』にて8月3日より開幕したシーズン5においては、『CoD』シリーズの今年の新作についての公開イベントに関する詳細が明らかになると伝えられている。このタイミングで『CoD: MW II』が『CoD』総合アプリに置き換わったのは、まもなく新情報がお披露目されそうな新作に向けた下準備という可能性もありそうだ。新作も今回リリースされた『CoD』総合アプリにて起動できるかたちになるのかもしれない。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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