『ディアブロ4』開発者、「ゲーム内でやる事ないならプレイを少しお休みしよう」と呼びかけ話題に。シーズン開幕前の思いやり
Blizzard Entertainmentは7月7日、『ディアブロ4』の今後の方針などを伝える「開発者アップデート」を配信。その中でふと放たれた「本作から一旦離れて休憩してもよい」という一言が話題を呼んでいる。
『ディアブロ4』は、人気ハクスラARPGシリーズ『ディアブロ』の最新作だ。本作の舞台は前作『ディアブロ III』から数十年後となる。グラフィックなどを大幅にパワーアップし、世界は広大なオープンフィールドに。過去作の魅力を踏襲しつつ、豊富なキャラクターカスタマイズや、さまざまなゲームプレイ要素を盛り込んで新たな冒険が描かれる。大量のサブクエストやミニダンジョンなど、プレイヤーの戦力強化にも繋がる探索要素拡充も過去作からの変化だ。
本作開発元は先日、今後の運営スケジュールなどを伝える「開発者アップデート」を配信していた(下記の動画)。同配信では、日本時間7月21日から開幕予定の本作シーズン1「厄災のマリグナント」の内容などが語られた。そうした中で、開発者のひとりが神妙な面持ちで「本作からいったん離れて休憩するように」と唱え、注目を集めている。
プレイヤーたちに自分をいたわるよう伝えたのは、本作アソシエイト・ゲームディレクターのJoseph Piepiora氏だ。まず、放送の終盤では本作のゼネラルマネージャーであるRod Fergusson氏が、シーズンに参加できるのが「新規キャラ限定」である意図について説明。新規プレイヤーもやり込んだプレイヤーも、これまでのプレイ時間の長短にかかわらず、同じ条件でスタートを切れる環境を作るためであると説明した。
続いて、Piepiora氏も新シーズンに向けての見解をコメント。そこで同氏は「もしもあなたがゲーム中の目標をすべて達成して、重要だと思うことを済ませたなら休憩してください」と伝えた。続けて同氏は、思いを込めるように「大丈夫だから(That’s fine)」と繰り返し、自身らも同じようにゲームプレイから一旦身を引くことがあるとした。そして、新シーズンの開幕は心機一転プレイ再開するのにまたとない機会であるともアピールしている。Piepiora氏の神妙さゆえか、開発者自らが「ゲームから一旦離れて」と伝えた物珍しさからか、GamesRadar+といった複数メディアがこの様子を取り上げている。
『ディアブロ』シリーズといえば、果てしないトレジャーハンティングやエンドコンテンツの周回も魅力のひとつだ。装備性能がランダムとなるシステムなどにより、キャラを極限まで強化しようと思えばいくらでも時間を使って突き詰められるシステムである。そうしたシステムにおいて、プレイヤーたちがあまりにもゲームにのめり込みすぎないよう、「一旦『ディアブロ4』をやめてもいい」と気遣ったかたちだろう。
本作含め運営型ゲームは「プレイヤーに長く遊んでもらう」ことを重視して設計される場合が多い。しかし、いくらでも遊べるがゆえに「遊びすぎ」による弊害もまた問題となる。極端な例では、長時間不眠不休のプレイ後に死亡したケースが時折報道される。過去には『ディアブロ3』を長時間プレイした台湾人が死亡した例などが報道されており(シネマトゥデイ)、本作開発陣も遊びすぎ防止には気を配っていることだろう。また、そこまで極端でなくとも体調を崩したり、あるいは作品に対して“燃え尽き”を起こすケースもあるだろう。
新キャラを作って心機一転挑むことになるシーズン制のシステムは、本シリーズ含む複数の運営型ハクスラ作品で採用されている。その背景には、あえて進捗を引き継がないことによる遊びすぎ防止など、プレイヤーをいたわりゲームとのほどよい付き合いを促す意図もあるのかもしれない。
『ディアブロ4』は、PC(Battle.net)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。シーズン1「厄災のマリグナント」は、日本時間7月21日開幕予定だ。なお、新シーズン参加にはキャンペーンモードクリアが必要となり、リリスの祭壇やマップの解放状況は引き継がれるとのこと(関連記事)。とはいえ、シーズン開始準備のためにあまり無理して遊びすぎないようにしよう。