『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の「祠速解きチャレンジ」が激しく力技。とにかく飛んでゴールでOK、たまに知恵と運

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』では、国内外の多くのプレイヤーがRTA(Speedrun)を楽しんでいる。力技での祠クリア記録がさまざま寄せられている。

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』では、国内外の多くのプレイヤーがRTA(Speedrun)を楽しんでいる。ゲーム自体の最速クリアのほか、「祠の最速クリア」を目指す走者たちも存在。力技での祠クリア記録がさまざま寄せられている。


『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、Nintendo Switch向けに発売中のアクションアドベンチャーゲームだ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編にあたる。突如として天変地異に見舞われたハイラルの地で、“右手”に力を宿したリンクが異変に立ち向かう。

『ゼルダの伝説』シリーズでは、RTAも盛んだ。高速ゲームクリアなど、さまざまな目標達成までのプレイ時間短縮を追い求める遊び方である。例のごとく本作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』においても、本作リリース早々に約1時間半でのクリア記録が打ち出された(関連記事)。スピードラン記録集計サイトSpeedrun.comによれば、本稿執筆時点でのAny%(達成度問わず)Ver.1.1.2カテゴリーでの最速クリア記録は、フランスの走者Flavien氏による53分44秒となっている。ほかにも本作では、多くのスピードラン走者たちがさまざまなカテゴリーでしのぎを削っているわけだ。


そうした種目のひとつが、各地の祠をいかに速くクリアするかという試み、いわば「祠RTA」である。本作の祠では、ひらめきや創造力を試されるさまざまなパズルが課題として登場。プレイヤーによって解法が大きく違う祠などもあり、十人十色の自由な発想で課題を乗り越えるのが醍醐味だ。一方のAny%祠RTAでは、そうした課題はできるだけ無視して、とにかく速く祠をクリアするのが醍醐味となる。Speedrun.comやSNS上には、グリッチなども利用した力技でパズル設計をねじ伏せる、高速クリア記録が多数寄せられている。

たとえば、以前弊誌にて紹介した「ジウコウメの祠」は、最後の謎の解き方で迷うプレイヤーが比較的多く見られる祠のひとつ(関連記事)。この祠は、レールに合うコースターを作る内容となっている。普通に攻略すれば、あるいは盾サーフィンで“ズル”をしたとしても攻略に分単位の時間はかかる祠である。しかし、6月初頭の時点でスクラビルドを利用して空を飛ぶ攻略法で約22秒のクリアタイムが打ち出されていた。そして本稿執筆時点でSpeedrun.comに寄せられている最速クリアタイムは16.067秒。こちらではグリッチをメインに空中を横断しタイムを記録している。なお、祠の主役たるレールには一度も触れていない。

ツカロクの祠では、タイヤの駆動力を活かしてさまざまな障害を乗り越えるのが課題となる。起伏も激しく、時間がかかりがちな祠だ。現在Speedrun.comに記録されているクリア記録も、約45秒と比較的長め。この記録では、もともと存在する車両を足場として利用し、鍵となる球を運搬。モドレコを駆使してすべての障害をクリアしている。ツカロクの祠では、もとよりさまざなプレイヤーがギミックを無視する解法を導き出していた。このクリア記録も、その発展形といえるかもしれない(関連記事)。

なお、祠RTAでは「グリッチかスクラビルドを利用して、滑空してすべてを無視する」との戦術が取られやすい。しかしステージ設計にあわせた特徴的な走法も散見される。そのひとつが、ジョチイウの祠だ。上述の本稿執筆時点での世界記録動画では、鍵となる球のあたりにバクダン花を射出。爆風でたまたまゴールに吹っ飛ぶのを期待する博打めいたダイナミックな手法が見られる。なお、上述の動画では気づきようもないが、おもちゃの「ジェンガ」風に足場を引き抜く慎重なプレイが求められるのがジョチイウの祠だ。

また、ほかの変わり種としては、なにも障害がない「ラウルの祝福」のRTAがあるだろう。こちらは本稿執筆時点のSpeedrun.com世界最速が2.567秒。超短距離走勝負が繰り広げられている。同サイトでは、ほかにもさまざまな祠が力技で、時には運でクリアされている記録が寄せられている。興味のある人は、チェックしてみてほしい。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、Nintendo Switch向けに発売中。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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