『Apex Legends』は“タイタンフォール3”がバトルロイヤルゲームになって生まれたと元Respawnスタッフが明かす。バトロワ流行を受けて方針転換

Respawn Entertainmentの手がける『Apex Legends』は“Titanfall 3”が前身になっているという。過去にRespawnに在籍した『Titanfall』シリーズの主要開発者が明かしている。

Respawn Entertainment(以下、Respawn)の手がける『Apex Legends』は“Titanfall 3”が前身になっているという。過去にRespawnに在籍し、『Titanfall(タイタンフォール)』シリーズや『Apex Legends』に主要開発者として携わったMohammad Alavi氏が明かしている。海外メディア80 Levelが伝えている。

『Titanfall 2』


『Titanfall』シリーズは、Respawnが開発を手がけたFPSゲーム。プレイヤーは「パイロット」と呼ばれる存在となり、人型戦闘ロボット「タイタン」を駆使。卓越した戦闘力を発揮して、激しい戦闘を切り抜けていく。『Titanfall 2』にはマルチプレイ対戦モードのほか、シングルプレイモードも存在。パイロットのひとりであるジャック・クーパーと、タイタンであるBT-7274による成長と友情の物語が展開された。

一方『Apex Legends』は、同じくRespawnが開発を担当する基本プレイ無料オンラインFPSゲームだ。ゲーム内にタイタンは登場しないものの、『Titanfall』および『Titanfall 2』の世界観を引き継いでいる。

今回、過去にRespawnに在籍していたMohammad Alavi氏が、『Titanfall』の続編が開発されていたことや、それが最終的に『Apex Legends』になったことを明かしている。同氏はRespawnの創設メンバーであり、『Titanfall』シリーズのシニアデザイナーを務め、『Apex Legends』ではナラティブデザインリードおよびナラティブデザインディレクターを担当した人物。現在では同スタジオを離れ、新興スタジオWildlight Entertainmentに立ち上げと共に参加している。

Alavi氏は海外メディアTHE BURNETTWORKのポッドキャスト番組に出演。Respawnにおける過去の『Titanfall』にまつわるエピソードを紹介した。同氏によると2016年10月に発売された『Titanfall 2』の好調を受けて、同スタジオでは“Titanfall 3”の開発がスタート。同作の開発は10か月間続けられていたという。同作には独自の技術が盛り込まれ、多方面での取り組みがおこなわれるなど本格的な開発であったとのこと。Alavi氏は、同作の開発は順調に進んでいたものの、開発チームには『Titanfall 2』ほど革新的で意義のあるゲームを作っていないような感覚も生じていたと述べている。

なおこの間にはバトルロイヤルゲーム『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS(現・PUBG: BATTLEGROUNDS)』(以下、PUBG)が早期アクセス配信開始され、人気を博していた。同作の人気を受けて状況は一変。開発チームは“Titanfall 3”内にバトルロイヤルマップを作成することを決めたという。Alavi氏は、この決断が会社全体にゲームへの新たな関心を生むことになったと説明している。

そしてその後Respawnでは、「このまま開発を続けても『Titanfall 2』の改善版にしかならないのでは」といった検討がおこなわれたようだ。結果としてさらなる方針転換が実施。“Titanfall 3”はスタジオが自ら開発を取りやめ、新たに『Apex Legends』となるゲームが開発される運びになったという。Alavi氏は『Titanfall』の続編が開発されなかったのは寂しいとコメントしつつも、それが正しい判断であったと振り返っている。

『Apex Legends』


なお海外メディアBloombergによると、Respawnには過去にコードネーム『Titanfall Legends』なるプロジェクトが存在。『Titanfall』および『Apex Legends』と世界観を共有するシングルプレイゲームとされていたものの、開発中止になっていたという。なお同プロジェクトのディレクターはAlavi氏が務めていたとされている(関連記事)。

ちなみにAlavi氏が現在在籍するWildlight Entertainmentは、『Apex Legends』のほか『Titanfall』、『Call of Duty』シリーズなどの開発に携わったスタッフたちが中心となっている。多額の出資を受けて設立された(fully-funded)スタジオとされ、新規IPのシューター作品を開発していることが伝えられている。『Titanfall』シリーズなどに携わったスタッフたちの開発手腕は、同スタジオが第一作目として打ち出すゲームに発揮されることだろう。

バトルロイヤルゲーム『PUBG』の台頭がきっかけとなり、開発中止となっていたことが明かされた『Titanfall』続編。『Apex Legends』とクロスオーバーするかたちのシングルプレイゲーム開発プロジェクト『Titanfall Legends』も中止となったことが伝えられており、Respawnは『Titanfall』シリーズの次なる展開に二の足を踏んでいる様子だ。一方で『Titanfall』シリーズは根強い人気を誇っており、続編を望むユーザーの声は継続して見られる。今後も新たな展開が計画される可能性はあるかもしれない。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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