『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』においては、「モノを繋げて長くする」ことにこだわりをもつユーザーがいるようだ。強引な謎解きや、あるいは単なる満足のために、とにかく長い構造物や乗り物がさまざま生み出されている。本稿や掲載動画には、ある祠やさまざまなゾナウギアのネタバレが含まれるため注意してほしい。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、Nintendo Switch向けアクションアドベンチャーだ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編にあたる。新作においては、ハイラルの地が突如として天変地異に見舞われる。城は宙へと浮かび上がり、空からは謎の遺跡群が降り注ぐ。大地と大空が広がった世界にて、“右手”にさまざまな力を宿したリンクがハイラルの異変に立ち向かう。なお本作は、発売後3日間で売上1000万本を突破したことが伝えられている(関連記事)。
本作においては、新たな能力「ウルトラハンド」が追加。この能力を使うことで、プレイヤーはさまざまな物体を接着したり、ゾナウギアと呼ばれる機械と組み合わせたりすることが可能。さまざまな構造物のほか、車や飛行機などのマシンまで自由度高くビルドできる。そうした中で発生したひとつの楽しみ方が「モノをとにかく長く繋げてみる」というスタイルだ。
本作では、物体をかなりの数繋げて接着することが可能。過去の弊誌検証では、最大で21本まで丸太を長く繋げられるという結果も出た。そのため、ものを繋げると相当なスケール感を楽しむことができる。そうした長い構造物がまず役立つのは、攻略だ。たとえば、崖や水場が行く手を阻んでも、ひたすら丸太を繋げて橋として利用すれば、問題は解決する。そうしたユーザーたちの力強い行動は、以前弊誌でも紹介した(関連記事)。
攻略のために使われるのは丸太に限らず、板を利用する者もいる。長い橋を作り、到達が難しい鳥望台に一気に到達するプレイなどが紹介されている。たわんで折れるのではないかと思うほどの長さの橋が、設置した瞬間板バネのように暴れる様子はスリリングだ。
そして、攻略上そこまで役に立たずとも、ものを長く繋げたがる人々も散見される。Redditでは、とある祠にて現場にあるすべての丸太を長く繋げたユーザーが出現。祠内のほぼ端から端までを縦断するようなロング丸太に仕上げている。わざわざ一本ずつ丸太を接着するよりは、各所を必要分の丸太で突破していった方が楽なはずの状況。とにかく長く繋げて遊ぶことを愛するプレイヤーと見られる。
ほかには、「とにかく長い乗り物」を作るユーザーもあらわれた。列車のように地面に並行に長いのではなく、地面から上空に垂直に伸びた乗り物である。セグウェイに代表される並行二輪車タイプの車輪から、シートピラーがひたすら突き出ており、その先にリンクが搭乗するかたち。つまり、めちゃくちゃに長い棒が走行しているイメージだ。
その圧倒的な様子は、上述の映像を見るとよくわかる。実用上シートがこんなに高い必要はなく、走行も不安定で速度もそこまで速そうではない。しかし、その長さゆえに乗っている様子は非常に楽しそうだ。なお、この乗り物は高所からの落下にも強い様子である。乗ったまま空島から落下しても、乗り物もリンクもびくともしない様子が紹介されている。無駄と思われた長さが、衝撃吸収性を発揮したのかもしれない。
このほかにもWeb上では、国内外のユーザーたちがとにかく長い構造物や乗り物を作り、攻略に活かしたり、単に振り回して喜んだりしている様子が見られる。「モノ同士をくっつけて長くする」という行為自体、童心をくすぐる遊びだ。そうした素朴な遊びを大きなスケールで実現できるのも『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のデザインの懐の広さゆえだろう。今後も、“長さ愛好家”たちにより、さまざまな愛すべき無用の長物が作られていくことだろう。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに発売中だ。
※ The English version of this article is available here