『Elona』続編高自由度ローグライクRPG『Elin』、開発資金を募り“開始46分”で目標額到達。すでに4倍以上が集まり開発者も驚く
国内のゲーム開発者noa氏(スタジオlafrontier)は5月2日、『Elin』のクラウドファンディングキャンペーンを開始した。同作のクラウドファンディングは、Kickstarterにて日本時間で5月2日20時ごろにスタート。記事執筆時点では1700人以上のバッカーから2100万円以上の資金が集まっている。前作『Elona』の人気ぶりやファンの熱量の高さがうかがえるようだ。
『Elin』は、『Elona』の続編として開発されている、自由なサンドボックス系ローグライクRPGである。前作に相当する『Elona』は、noa氏が2006年8月に開発を開始したローグライク作品だ。同作の舞台であるイルヴァでは、異形の森の拡大により人の住めない土地が増え、難民がノースティリスへと流れ込んでいた。プレイヤーキャラクターは、そんなノースティリスへ流れ着いた何者かだ。同作でプレイヤーは、11種類以上の種族などからキャラクターを作成。ターン制のシステムでストーリーに沿って冒険したり、街で残虐行為を働いたりなど、ノースティリスの地を自由に冒険していく。同作はフリーゲームとして2006年に初公開され、Version 1.000(開発版) が2007年に公開。自由さが織り成す混沌としたゲームプレイなどから、多くのプレイヤーがノースティリスの地を冒険してきた。
本作『Elin』は、『Elona』と同様に自由さやカオスさが備わったローグライクと謳われている。内容としては、前作を上回るボリュームを備え、自由度も強化されている。また本作の要素としては、拠点運営などが存在。拠点では住民たちが生活を営むことで、カオスな事態も発生するそうだ。視点がクォータービューへと変化している点や、『Elona』開始時点の30年前から始まる時系列設定も特徴だろう。
これまでの経緯としては、『Elin』は「エリン宿」として制作が始められた。紆余曲折の末に『Elin』へと進化し、2022年末にはAlpha 9.3(tech demo)が公開。そして5月2日より、開発資金を募るクラウドファンディングキャンペーンがKickstarterにて開始されたのだ。クラウドファンディングを開始した理由としては、キャンペーンページ内では開発資金を確保すると共に、「本作を一つ上のレベルへ押し上げることができれば」と記されている。ストレッチゴールでは、実現が難しかった大型機能などが導入され、ゲームの完成度向上やコンテンツの拡張が図られるとのこと。Reddit内のスレッドでnoa氏は、「作りたいゲームを自由に作りたい」ことも理由であると語っている。
また具体的なクラウドファンディングの目標としては、3万8000ドル(約500万円)に最初のゴールを設定。以降の目標(ストレッチゴール)としては、5万6000ドルでちょっとしたマルチプレイ機能、7万5000ドルで空飛ぶカジノ船の導入、10万ドルでSteamワークショップの導入などが掲げられている。
リワードとしては、1980円以上で『Elin』のSteamキーが入手可能。数量限定の2万4800円の井戸水愛好家以上では、新しい要素をリクエストする「願い」も用意されていた。
そんな本クラウドファンディングであるが、noa氏自身のツイートによると、開始後わずか46分で3万8000ドル(日本円で約500万)のメインゴールを達成したそうだ。開始から約18時間後の記事執筆時点で、50万円以上のプレッジを含めて、数量限定のリワードはすべて限定数終了済み。金額としては、1700人以上のバッカーから2100万円以上の資金が集まっている。現時点では最高額20万ドルのストレッチゴールが残されているものの、数日以内には当初設定されていたストレッチゴールを優に達成しそうな勢いとなっている。フリーゲーム『Elona』がいかに多くのプレイヤーに遊ばれ、愛されてきたががうかがえるようだ。
またクラウドファンディングの状況に対して、noa氏自身は何度も「ありがとうございます」と感謝をツイートしている。「『Elona』続編を待っていてくれた方がたくさんいたんだというのが本当に嬉しいです」ともツイートしており、プレイヤーから『Elona』の続編が待ち望まれている状況に感謝が止まらないようだ。なおクラウドファンディング関連では、追加のストレッチゴール製作も進められているという。
『Elin』は、PC(Steam)向けにリリース予定だ。またクラウドファンディングはKickstarterにて、2023年6月1日19時55分まで実施予定。1980円以上の支援で、リワードとして『Elin』のSteamキーが入手できる。