『Titanfall』新作にまつわる、開発元CEOの“絶妙な言葉選び”に注目集まる。「実現してくれたら嬉しい」と謎の距離感

『Titanfall』

Apex Legends』や『Titanfall』シリーズを手がけるRespawn EntertainmentのCEOが4月27日、海外メディアのインタビューに回答。『Titanfall』新作について語ったその表現に、注目が集まっている。

『Titanfall 2』


『Titanfall』シリーズは、Respawn Entertainmentが手がけたFPSゲームだ。その世界観は同スタジオが手がける基本プレイ無料FPS『Apex Legends』にも受け継がれており、『Titanfall』シリーズとの物語・設定上の繋がりの描写も数多い。

初代『Titanfall』および『Titanfall 2』はそれぞれ2014年/2016年に展開されており、ハイテンポなマルチプレイ対戦が最大の特色。また、『Titanfall 2』はシングルプレイキャンペーンも高い評価を受け、対戦についても『Apex Legends』とはだいぶテイストが違う。そのため、『Titanfall 2』リリースから約7年の時を経た現在も、新作展開がファンから熱望されているシリーズでもある。

『Titanfall』


そんな同シリーズの新作展開について4月27日、Respawn EntertainmentのCEOで共同創立者のVince Zampella氏がコメントした。海外誌Barron’sでのインタビューにて、さまざまなトピックについて答えるなかで語ったかたちだ。聞き手のTae Kim氏がその内容を一部公開している。

Zampella氏は「『Titanfall 3』が将来的に登場する可能性はあるか?」と訊かれ、まず「現在同シリーズ新作は手がけていない」と明確にした。さらに新作登場の可能性については、「(無責任に)イエスと答えるのは憚られる」としている。肯定することでファンたちの大注目が集まり、それが失望に変わるリスクを懸念しているようだ。その上で同氏は「(『Titanfall』新作が)実現してくれたら嬉しいというのが本音」と語った。また、シリーズ新作を作るとしても「正しいタイミングで、正しい発想で実現しなければ意味がない」とした。

Zampella氏の『Titanfall』新作に対する表現は、やや回りくどくもある。たとえば、原文では「I would love to see it happen(実現したら嬉しい)」としている。開発スタジオトップならば「将来的に手がけたい」といった表現を使うのが自然だろう。どちらかといえば、他人事のような雰囲気も感じる表現だ。こうした表現は英語圏ユーザーにも違和感があったようで、GamesRadar+といった海外メディアは同氏の表現の節々をやたら強調するようなかたちで取り上げている。

『Titanfall 2』


Zampella氏は、現在Respawn Entertainmentのほか、Ripple Effect Studios(旧称DICE LA)も率いている。つまり、EAグループの会社を複数見ており、プロジェクトというよりは会社を見るマネージャーとして重用されているわけだ。そのため、やや距離を置いた表現になったのかもしれない。

また、Zampella氏は以前、Electronic Artsの公式Twitterアカウントが一部ゲーマーを揶揄した際、EA傘下スタジオ責任者でありながら、上層部であるEAに対して批判的な反応を示していた(関連記事)。ゲーマーに親身な人物像でもあり、「新作の可能性は否定したくないが、結果的に失望させるのも避けたい」といった思いやりの結果、奇妙な言い回しになってしまった可能性もあるだろう。

いずれにせよ、同氏の発言をまとめるのならば「『Titanfall 3』は開発されておらず、具体的な計画もないものの、実現の可能性は否定しない」となるだろう。ファンたちは期待せずに、可能性がある点だけ心に留めておいた方がよさそうだ。