任天堂は来月5月12日に、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の発売を予定している。本作に先がけて、本作仕様のNintendo Switch本体(有機ELモデル)が4月29日に発売予定。この特別仕様のNintendo Switch本体の存在を、発表前日にリークしたとされる米国ゲーム小売店の店員が解雇されたという。その店員は“任天堂の要請で”解雇されたと主張しているそうだ。Kotakuが伝えている。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は『ゼルダの伝説』シリーズ最新作だ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編にあたる。本作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の舞台は、大地と大空が広がった世界。スクラビルドやウルトラハンドといった新たな力を手にしたリンクがハイラルの異変に立ち向かう(関連記事)。
Kotakuによると、米国の大手ゲーム小売店GameStopの店員が「Nintendo Switch(有機ELモデル) ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダムエディション」(以下、本作エディションのNintendo Switch)を発表前日にリークし、GameStopを解雇されたという。なお本作エディションのNintendo Switchは、現時点で国内外で発表済みの商品であり4月29日の発売に向けて予約も開始されている。
リークした店員はKotakuに対してMikeと名乗っているそうだ。Mike氏はマサチューセッツ州のGameStopに勤務していたという。同氏は本作エディションのNintendo Switchの発表前日に、海外掲示板Redditの本作コミュニティr/tearsofthekingdomにて「Zelda OLED tomorrow」なるスレッドを投稿。本作エディションのNintendo Switchが投稿の翌日に登場すると示唆していた。またスレッドにはGameStop従業員用システムとみられる端末画面の写真が添えられていた(写真は本稿執筆時点で投稿者により削除済み)。
写真はKotakuに掲載されており、特別仕様のNintendo Switchが在庫に登録されているように見える。在庫情報とみられる写真を本作エディションのNintendo Switchの発表が近い根拠として示したのだろう。なおMike氏はKotakuに対して、この写真を用意したのは自分ではないと主張しているそうだ。
Mike氏は本作エディションのNintendo Switchの発表をリークした理由をKotakuに伝えている。発表にあわせて予約が開始されることを想定し、ユーザーたちが予約に間に合うようにしたかったとのこと。また同氏は投稿は推測の域を出なかったと主張しており、大きな問題ではないと考えていたそうだ。
この投稿の約1週間後、Mike氏はGameStopの地区マネージャーとのミーティングに呼び出されたという。同氏はRedditの投稿をおこなったかどうかや、それが同社のポリシーに違反していることを知っていたかを尋ねられたとのこと。同氏は投稿が同社のポリシーに反するとは知らなかったと主張しつつも、投稿したことを認めたそうだ。結果として地区マネージャーは同氏から業務に関係する鍵を預かり、停職処分を科したとされている。そしてさらに約1週間後、Mike氏は店長からの電話で解雇を伝えられたという。その際、店長は上司から「任天堂が今回リークをした従業員の解雇を要求した」ことを“オフレコで”聞いたと同氏に伝えたそうだ。
なお一連の主張は、Mike氏が語った内容である点には改めて留意したい。一方でKotakuはMike氏の務めていた店舗の別の従業員を取材。その従業員からも、店長が「(Mike氏の解雇は)任天堂がきっかけだ」と話していたとの証言を得られたそうだ。今回のGameStopの店員が任天堂の要請で解雇されたか否かは定かではないものの、そもそも問題の行為自体が同社のポリシー違反。秘密情報のリーク行為自体が明らかな背任行為であり、Mike氏がどう弁明したところで解雇は当然だろう。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のリークにまつわる別の事例としては、先日本作「Collector’s Edition」の特典である公式アートブックのスキャン画像のリーク者のひとりに対し、任天堂が対応する構えを見せたことが報じられていた(関連記事)。また過去には、任天堂の機密情報をハッキングによって盗んだリーク者に懲役3年の判決が下ったこともある(関連記事)。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに、5月12日に発売予定だ。