米国の軍事機密資料漏洩騒ぎにて、『マインクラフト』非公式Discordサーバーが早期漏洩元だったとの報道。“拾った画像”が軍事機密

 

現在、米メディアを中心として、米軍事機密とされる情報の流出を巡る報道が過熱している。そうした中、機密資料が『マインクラフト』関連のとあるユーザーDiscordコミュニティにて投稿されていたとの調査報告があがっている。Bellingcatが伝えている。


『マインクラフト』は、人気サンドボックスゲームだ。同作でプレイヤーは、世界を冒険したり、クラフトやブロック配置を通じて拠点を作ったりとさまざまな体験ができる。ソロもしくはマルチプレイが可能で、プレイヤーによるカスタムマップ制作なども盛ん。プレイヤーたちによるファンコミュニティも数多く、Discordといった場にて運営されている。

今回、そうした『マインクラフト』関連Discordコミュニティにおいて「米国の“軍事機密情報”が流出した」と伝えられている。まず背景として、先週より米一般紙The New York Timesなどが4chanやTelegramといったフォーラム/SNSにおける米軍事機密流出を報道していた。この資料が実際の機密情報かどうかについては不透明なものの、複数の米政府関係者は資料が本物であることを示唆し、内容が改ざんされているとの見解も示している(Reuters)。そしてイギリスを拠点とする調査・報道機関Bellingcatの調べによれば、そうした機密が早期に流出していたのが『マインクラフト』のユーザーコミュニティDiscordサーバーだったという。


Bellingcatによれば、機密資料が流出したのは『マインクラフト』のマップ制作関連Discordサーバー。資料の内容としては、ロシアによるウクライナ侵攻にまつわる多岐にわたる情報が含まれていたという。同サーバーにて現地時間3月4日、ウクライナ侵攻とカスタムマップにまつわる口論の末に、とあるユーザーが突如として画像として資料を公開したそうだ。時系列としては、この『マインクラフト』マップ制作コミュニティでの流出の後に、4chanやTelegramへの流出が始まったと見られるという。

Bellingcatは情報漏洩元をさらに調査している。機密資料を投稿した上述のユーザーも、WowMaoなるDiscordサーバー上で投稿されていたものを入手し、転載しただけだと証言しているという。同機関によれば、さらなる出処として別のDiscordサーバーが存在し、関係者によれば現在広く流出しているより多数の資料が同サーバーに投稿されているという。そうした資料が人の手を渡った結果、『マインクラフト』関連コミュニティに投稿されるという顛末を辿ったようだ。

一連の騒動については米国家安全保障局など、関連当局が調査に動いているとのこと。なお、ゲーム関連コミュニティでの国家機密情報漏洩としては、『War Thunder』における複数回にわたる漏洩騒動が記憶に新しい(関連記事)。今回の『マインクラフト』コミュニティでのケースでは、一次漏洩ではなく転載と見られる。しかし、機密と思しき“拾った画像”も拡散しないに限るだろう。

【UPDATE 2023/4/11 15:46】
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