「ひどすぎ音量調整UI選手権」が注目集める。ミニゲームに大量ボタン、16連サイコロなど使いにくさ追求の“最悪UI”たち

 

Twitterユーザーの0xDesigner氏が、過去に海外掲示板Redditにて実施された“ひどすぎ音量調整UI選手権”より、さまざまなgifを引用して紹介している。謎のミニゲームから単純に使いづらいUIまで、多種多様なおもしろUIが取り上げられ、話題を呼んでいる。

0xDesigner氏の引用元となっているのは2017年にReddit上のプログラマー向けコミュニティr/ProgrammerHumorに投稿された「Who can make the best volume slider?」というスレッド。表題では“best”といいつつも、実際には最悪のUIアイデアが集っている。投稿されたgifにはよく見かける縦長の音量調整バーが収められている。しかしこの調整バーでは縦軸ではなく、音量調整は細い横軸でおこなう様子。せっかくのUIをダメにするジョークを見たユーザーたちは、こぞって酷いUIを考え投稿し始めたわけだ。

0xDesigner氏によって最初に紹介されたのは「物理」音量スライダー。スライダーの“つまみ”部分は動かせず、枠を傾けて重力を使うことでしか音量調整ができない。傾き加減でちゃんとつまみの速度が変わるのが印象的だ。丁度いい音量で止めるには相当な慣れを要することだろう。

0xDesigner氏が紹介した中でもとりわけ反応が多かったのは「カーリング」音量スライダーだ。音量調整のスライダーをカーリングのストーンに見立ててスライダー上で滑らせ、マウスでスウィーパーを動かし着地点を調整することで音量を設定する。ここまでくると、もはやUIであるかすら怪しい。こうしたミニゲーム調のアイデアはほかにも紹介されており、スライダー位置を決めるつまみを砲弾のように音量バーに発射して設定したり、いくつものサイコロを転がして出目をホールドすることで少しずつ音量を決めたり『ポン』のスコアで音量を決めるものなどもある。

こうしたおもしろUIが多く紹介される中、投稿者たちのプログラマーらしさを感じさせる“よく見るUIだが、音量調節としては使いたくないUI”も光っていた。100個のラジオボタンの中から好きな音量を選ぶものや、回路を選んで音量の値を決定するもの、音量をわざわざ2択の選択肢から選んでいくものなど、別のUIらしさを盛り込んで作られた酷い音量調節UIたちだ。

多くの人は普段洗練されたUIを見慣れているだけに、ヘンテコなUIには注目が集まりやすいのかもしれない。昨年にも『エルデンリング』のUIにあれこれと架空のUIを盛り込んだ“てんこもりUIミーム”が生まれるなど、悪いUIを作り上げる試みは話題に挙がりがちだ(関連記事)。

今では当たり前のようにある音量調整バーなど、PCのデスクトップ画面は試行錯誤のうえ使いやすくブラッシュアップされてきたことだろう。PC画面はもちろん、ゲームのメニュー画面、はたまた洗濯機のボタンなど、インターフェースは多くの場面でユーザーの快適さに関わってくる。これを機に身の回りの機器やゲームのUIを今一度じっくり見てみると、新たな発見や開発者の工夫が見つかって面白いかもしれない。

また、r/ProgammerHumorには2と5の倍数には絶対に止まらないスライダー「焚火」スライダーなど、ほかにもさまざまなおもしろ音量スライダーが投稿されている。そのほかRedditには、酷いUIを競い合うr/badUIbattlesというコミュニティもあるため、興味があればあわせて覗いてみてはいかがだろうか。