ゲームイベントE3 2023、各社不参加で開催自体危ぶまれる。Ubisoftもセガも不参加で、メーカー担当者不安いっぱいとの報道

 

ESA(Entertainment Software Association)が現地時間6月13日から16日にかけて開催する「E3 2023」。ユービーアイソフトやセガといった大手ゲーム会社が、同イベントに不参加とする構えを見せているという。

E3(Electronic Entertainment Expo)は、ゲーム業界団体ESAが主催するゲームの祭典だ。同イベントは2020年および昨年2022年には、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止。2021年には開催されたものの、オンラインのみでの実施となった。今年のE3 2023については、オンラインとオフライン双方で実施予定。オフライン会場での開催はおよそ4年ぶりとなる。また、PAXなどの大型イベントを手がける、イベント・メディア運営企業ReedPop とのパートナーシップも明らかにされていた(関連記事)。

IGNは、E3 2023には任天堂およびソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は不参加になると伝えていた。また同誌はマイクロソフトについても、従来と違って会場にブースを構えない予定であると報じている。その後も大手の“E3離脱”は続き、先日にはユービーアイソフトが不参加を表明(VGC)。さらに今回の報道ではセガのほか、Tencent GamesのパブリッシングブランドLevel Infiniteが不参加となる旨が伝えられている。

またIGNが複数のパブリッシング・広報担当者に話を訊いたところ、その全員がE3 2023に関して懸念を示していたという。まず、E3 2023では従来のE3と比べて参加企業の予定も不明瞭だとされている。従来は3月のこの時期には各社の計画も固まっており、この時期から予定を公表していた企業もあった。しかしE3 2023に関しては、現時点でも各社展示ブースおよびそのスタッフのために予算を割くべきか決めかねている様子がみられたとのこと。またESAおよびReedPopとのコミュニケーション不足を感じているとの声もあったそうだ。

そのほか、ユービーアイソフトの不参加が伝えられる以前に、E3 2023が実現する可能性はないと述べる情報筋もいたという。海外メディアVGCの編集長を務めるAndy Robinson氏も、E3 2023に関してはよくない話ばかり聞くとコメント。今週中止になってもまったく驚かないものの、そうならないことを願っていると伝えている。

なおジャーナリスト/司会者のGeoff Keighley氏によるイベント「Summer Game Fest」にて例年実施されてきたメディア向けハンズオンPlay Daysについては、参加に意欲的なメーカーもあるという。今年の同イベントは現地時間6月8日に開催予定。従来のオンライン放送に加えて、初の試みとして会場に観客を迎える対面形式のイベント開催も予定されている。バンダイナムコエンターテインメントはIGNに対してPlay Daysへの参加の予定を表明しており、Level Infiniteも2022年に引き続き参加に意欲的な構えを伝えているという。

またE3 2023への不参加または参加に消極的な意向を示した企業には、独自のショーケースイベントの計画もみられる。マイクロソフトは現地時間6月11日にXbox Games ShowcaseおよびStarfield Directを配信予定。さらにユービーアイソフトは現地時間6月12日に、Ubisoft Forward Liveを開催することを発表している。E3という枠組みに参加せず、各社が同時期に独自のショーケースイベントを実施する動きもみられるわけだ。

複数の大手ゲーム会社が不参加を表明しているE3 2023。約2か月後のイベントを前に、開催さえ危ぶまれている状況だ。新型コロナウイルスの影響が広がった2020年以降、各社のイベント戦略も変化してきた。そもそもコロナ禍以前から、EAやSIEが出展を取りやめ独自イベントへと舵を切る動きなどもみられた。存在感の低下しているE3ではなく、ほかのイベントを優先する、あるいは各社が直接情報を届ける戦略もあるだろう。いずれにせよ、現地時間6月13日の開催に向けたE3 2023の今後の動向が注目される。